今年はクマの目撃情報が多く、人里にもクマが現れています。昨年4月から6月までのツキノワグマ目撃件数は12件でしたが、今年は同時期に28件と倍以上に増えています。
クマはかわいい動物ではなく、人間を襲う危険な動物です。今年の7月に、養父市でクマに襲われて重症を負う事故が発生しました。最悪の場合、死に至る危険性もあります。
クマから身を守るにはどうすればよいのでしょうか。クマについて正しく知り、自分の身は自分で守りましょう。
■ツキノワグマはこんな動物です
・主に日の出・日没前後に活動します。
・見通しの良い場所、照明のある明るい場所にはあまり立ち寄りません。
・夏は繁殖期のため、活動範囲を広げています。
・基本的には臆病で、人間を避けています。しかし、人に遭遇すると一撃を入れて逃げ去る習性があり、急に攻撃してくることがあります。
■クマに出会ってしまったら…
・両腕をゆっくりと広げ、自分を大きくて怖い存在だと思わせましょう。傘を広げるのも効果的です。
・うつ伏せになって丸まり、両手は首の後ろに回し、顔と腹部、首を守りましょう。
・背中を向けて逃げると、追いかけられてしまいます!背中を見せないようにしましょう。
■クマに出会わないためには…
・クマよけ鈴やラジオ、音楽、話し声など、音で人間の存在を知らせましょう。
・家周辺の茂みなどを刈り取り、見通しをよくしましょう。クマの隠れ場所を無くすことができます。
・クマは木の上に巣を作ります。木の上に折れた枝の塊がある場合は、近くにクマがいた可能性が高く、要注意です。
自分を大きく見せましょう!
丸まって、頭部や首部を守りましょう!
■どうしてクマが増えているの?現場の方々の声
▽兵庫県猟友会新温泉支部 岸本康則さん
ワシントン条約でツキノワグマが保護されて45年が経ち、クマの頭数は増えています。昔はクマの頭数が少なかったため保護されていましたが、現在は保護政策の影響で頭数が増えています。捕獲や殺処分については、鳥獣保護管理法やツキノワグマ管理計画等で条件が厳しく定められており、人里にクマが出没する等の危険案件の際に、思うように動けず歯がゆい思いをしています。
近年は特に人口減少や離農者の増加により田畑が荒廃し、緩衝地帯(山と人里の境界となり、野生動物と人間の棲み分けをする地域)がなくなっています。このため、クマと遭遇しやすくなっています。
いつでもどこでもクマに遭遇するようになった近年、人身被害が出る前に、適正な頭数管理のもと、町と連携して積極的に捕獲できるよう働きかけていくことが重要だと考えています。
▽農林水産課鳥獣担当 株本主事
クマが人里に降りて来る原因として一番大きいのは、食べ物を求めているからです。気候変動の影響で木々に実がならなくなり、クマが森で食べるものがなくなっています。そのため、山を下り、人里までやって来るのです。
クマは食べ物の匂いにつられてやってきます。そのため、食べ物そのものだけではなく、匂いがついているゴミの近くにも現れます。人間にとっては食べられないゴミでも、クマにとっては貴重な食糧になるのです。
クマを寄せ付けないためには、食べ物やその匂いがついたゴミをポイ捨てしないなど、町民一人ひとりの意識が大切です。ご協力をお願いします。
■町はこのような取組を行っています
・クマの生息域および足跡調査を実施し、そのデータをもとに檻を設置するなど、クマによる人身被害が起きないよう対策しています。
・町内の小中学校および出石特別支援学校みかた校の児童生徒に、学校を通じてクマよけ鈴を配付しました。
※上記以外の学校に町内から通われている小中学校の児童生徒へはこども教育課でお渡しします。
問合せ:こども教育課
【電話】82-5627
・町の公式LINEでは「防災・防犯・クマ目撃情報」の受信設定をした方に、クマの出没情報を通知しています。ぜひ登録して、お役立てください。
■クマを見かけたら、すぐに通報を!
農林水産課【電話】82-5626
通報を受けた後、教育機関(こども園、小・中学校など)や周辺地区の区長・町内会長などの関係各所に連絡し、町民の安全確保を行います。
その後、兵庫県や猟友会と連携し、必要に応じて動向調査・捕獲等を行います。
問合せ:農林水産課
【電話】82-5626
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