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自治体の皆さまへ

新温泉町文化会館だより

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兵庫県新温泉町

■2024年度の住民交流学習「人権講座」がスタート
文化会館では、同和問題をはじめ、あらゆる差別や人権侵害をなくし、お互いの人権を大切にするまちづくりを目指して、毎年6月~10月の第4水曜日に、文化会館を会場に人権講座を実施していますが、本年度第1回人権講座を6月26日(水)に開催しました。
山本笙二文化会館運営委員長と西村銀三町長の挨拶の後、『無自覚の差別「マイクロアグレッション」』をテーマにしたDVD「言葉があるから」を視聴し、後半は人権啓発指導員の山崎香苗さんのお話で学習を深めました。

▽DVD「言葉があるから」を視聴
「人権」は日常の何気ない人と人との関係性の中にもあります。しかしながら、普段そのことを当たり前のように理解しているつもりでも、家族や友人、同僚などの近くて親しい関係性においては、相手を一人の人間として尊重する意識がおろそかになってしまうことがあります。
あからさまな差別表現でなくても、無自覚に相手の尊厳を傷つけている言動のことを指す「マイクロアグレッション(小さな攻撃性)」。その言動の背景には、国籍や人種、性別、性的指向など、特定の属性の人たちへの軽視や偏見が隠れていることがあります。
自覚なく加害者にならないために…。属性にとらわれずに、ありのままのその人と向き合うことの大切さを、このドラマは描いています。

▽山崎香苗さん(人権啓発指導員)の講話
DVD視聴の前に、お手元の「無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)セルフチェック」をしてください。後ほど、詳細は説明します。
今ご覧いただいたDVDの内容は『無自覚の差別「マイクロアグレッション」』でした。「マイクロ」とは「小さい」、「アグレッション」とは「他者への攻撃」という意味です。
無意識の偏見や差別によって生まれた悪意のない些細な発言が誰かを傷つける、たとえ相手を傷つけるつもりはなく、むしろ褒めようとして行われた行為であっても、細い針金でチクっと刺した様な痛みやダメージを与える行為になることもあります。DVDの中で、花屋のお母さんが、韓国人の青年に対して『日本語上手』と言っていました。これは、韓国人だから日本語が上手なわけがないという固定観念から発した言葉かもしれません。
別の場面では、『韓国人男性はロマンチストだからあなたもそうでしょう』『日本人女性は優しいから千花さんもそうでしょう』という言葉がありました。韓国人男性すべてがロマンチストであるはずもなく、日本人女性すべての人が優しいわけではないはずです。どちらの場面でも、その人が持つ固定観念や決めつけから、無意識のうちに相手を傷つけている場合があります。
また、会社の中で若い女性社員が結婚報告をしたとき、離婚した経験のある女性から『若いのにもったいない』『焦る必要はない』『よく考えてみて』などと声掛けがありましたが、これについても若くで結婚すると失敗する、経験が足りないうちに決めるのはよくないというような思い込みや決めつけがあるから発せられた言葉ではないでしょうか。自分の人生経験の中でできあがった固定観念を押し付けている言葉だと思います。また、若い男性に対して『彼女いないの?』『結婚は?』などと聞くことは、若い男性には彼女がいるもので、結婚するのが当たり前のような固定観念からでた言葉でしょう。いずれの場合にも当てはまることは、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見・無意識の思い込み)を押し付けていることです。
ここで、最初に行ったチェックシートの奇数番号の合計点と偶数番号の合計点を計算してください。奇数番号の合計点が概ね35点以上の人は、人を見かけや職業、性別、人種などで判断しがちかもしれません。普段から容姿や職業、所属しているグループなどの印象で相手を判断せず、目の前にいる一人ひとりを理解しようとする姿勢を持つようにしましょう。偶数番号の合計点が概ね35点以上だった人は、「べき」にとらわれて自分や他人を攻撃してしまうかもしれません。一人ひとりの価値観や生き方を「良い・悪い」で判断することなく受け止めることを心掛けましょう。(出典…徳島県男女参画人権課)
ここでクイズを出します。『大型トラックがある男性とその息子をひいた。父親と息子は救急車で別々の病院に運ばれた。彼の息子が運ばれた病院で、病院の外科医がその息子を見て「これは私の息子だ」と叫んだ』。こんなことがあるのでしょうか?少しの時間考えてみてください。
このような無意識の偏見・思い込みは、誰もが日頃の生活の中でやっているかもしれません。大切なことは「気づくこと」です。問題について「学びながら自覚的になる」ことが差別のない社会の一歩につながるのです。自覚することで反省する。この繰り返しが自分を成長させることだと考えます。
今日視聴したDVDには『言葉があるから…』の題名がつけられています。言葉には人に喜びを与える力があり、逆に人を傷つける力も備えている。相手を尊重し、偏見や先入観を捨てて、一個人として接することの重要性を訴えていたDVDであったように思います。(クイズの解答…外科医は息子の母親でした)

問合せ:新温泉町文化会館
【電話】82-3328

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