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新温泉町文化会館だより

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兵庫県新温泉町

■『ハラスメント』をテーマに「第2回人権講座」を開催しました。
文化会館では、同和問題をはじめ、あらゆる差別や人権侵害をなくし、お互いの人権を大切にしあうまちづくりを目指して、年5回の人権講座を実施しています。今年度第2回目の人権講座を7月24日(水)に実施しました。

▽DVD「無意識の偏見」を視聴
今回は『ハラスメント』をテーマにしたDVD「無意識の偏見」を視聴し、人権啓発指導員の塩出武さん(浜坂中学校長)の講話で学習を深めました。「アンコンシャス・バイアス」とは、無意識の偏見や思い込みのことで、日常の何気ない言動の中にも表れ、職場ではハラスメントにつながってしまうこともあります。しかも、アンコンシャス・バイアスは誰もが持っていて、完全になくせるものではありません。大切なことは「自分にもアンコンシャス・バイアスがあるはず」と意識してコミュニケーションを行うことです。
このDVDは、登場人物の視点や立場が変化する構成によって、無意識の偏見を見える化し、どのようにバイアスと向き合っていくかを自分のこととして考えることができる内容になっています。自覚なくハラスメントの加害者にならないために、日頃のコミュニケーションを見直すきっかけにもなる作品になっています。

▽塩出武さん(人権啓発指導員)の講話
「アンコンシャス・バイアス」とは、自分自身は気づいていない「ものの見方やとらえ方のゆがみや偏り」のことです。自分ではゆがみや偏りがあるとは認識していないので、自制することが困難であり「無意識の偏見」とも呼ばれています。
しかし「アンコンシャス・バイアス」があることは決して悪いことではありません。問題は、偏った思い込みによる無意識の「押しつけ」や「決めつけ」が人間関係や組織の運営に悪影響を及ぼしていくことです。特に職場においては、ハラスメントに発展したり、モチベーションの低下を招いたり、女性活躍の阻害につながる可能性があります。
「ステレオタイプ」という言葉があります。それは、人の持っている属性(性別・人種・年齢・血液型・学歴など)に関連付けて、先入観や固定観念でその人のことを勝手に決めつけてしまうという偏りです。その人の個性を無視して、属性や経歴にだけにとらわれて判断すると、誤った決断や失礼なコミュニケーションにつながることにもなります。特に、性別に関する「ステレオタイプ」は、セクハラにつながりやすいです。つまり、属性で人を決めつけるのではなく、その人自身ときちんと向き合い、個性をとらえようとすることが重要だといえます。
偏った言動に気づいた時の対応は、その気づきを相手に伝えることです。伝えればその人の認識が変わるきっかけになり、職場にもその人自身にも有益です。「気づきの共有」はよりよい職場の実現につながります。
様々な生活場面で過去の経験に基づいた判断がよくなされますが、「自分の時はこうだったから」とか、「普通は~だ」「~すべきだ」などのように、相手に押し付けてしまうとパワハラやマタハラなどのハラスメントにつながることもあります。自分と相手の価値観は異なっている可能性を前提として、丁寧なコミュニケーションが大切と言えます。お互いに相手の価値観を確認し合う意識を持つことで、認識のズレを防ぐことができます。また、それぞれの人が持っている価値観は変化していくものです。時と場合によって事情が変わるものでもあります。「前はこうだったから」と決めつけず、目の前にいるその人自身と向き合う姿勢が、より良いコミュニケーションを実現する近道と言えます。
また、日々のコミュニケーションの中で、人は無意識に相手の能力を評価してしまっていることがあります。その判断基準には様々な偏った見方が影響していると言えます。偏った判断基準が「できるわけがない」「自分のほうが正しい」といったように、相手の能力を過小に評価したり、自分の能力を過大に評価し、その結果パワハラにつながってしまうことにもなります。
自分の偏見に気づくための第一歩は、「客観的な事実」と「解釈」を切り分けて物事をとらえる意識を持ってみることです。そして、「自分にも無意識の偏見があるはず」と意識することで人間関係のコミュニケーションの改善になり、既存の枠組みにとらわれない新しいアイデアの発見につながります。
「パワハラの6類型」を紹介します。パワハラには大きく分けると6通りのタイプがあると言われています。
(1)身体的な攻撃(暴行・傷害)
(2)精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
(3)人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
(4)過大な要求(業務上明らかに不要なことの強制、仕事の妨害)
(5)過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
(6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
私たちは日々の生活の中で、常にこれらのことを意識しておくことが大切なことであるように思います。

問合せ:新温泉町文化会館
【電話】82-3328

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