■地域に再び賑わいが―
大阪や東京に住んでいた頃、理恵さんは近隣に住む住人と話をすることはあまりなかったそうです。
「物騒なニュースも多いですし、相手がどんな人なのか分からないので、近隣に住んでいる人であってもできるだけ顔を見られたくありませんでした。ですが、こっちに来てからはいろんな人たちに助けられています。特にガスが通っていなかった時、地域の皆さんから食べ物をたくさんいただいた時は本当に嬉しかったです」
張山さんの近所に住む衣川政枝(きぬがわまさえ)さんと伊藤明美(いとうあけみ)さんは「空き家になる前も後も知っているから、今、毎晩明かりが灯っているのを見ると嬉しくなる。亡くなった友人も多くいるので若い人に来てもらえて嬉しい」と微笑み、区長の足立勝彦(あだちかつひこ)さんも「この地域に来てもらえて本当にありがたい」と話します。
■大切な家のためにできること
「空き家に住みたい、活用したい気持ちがあるなら、失敗してもいいからいっぺんやってみたら良いと思います」
理恵さんは、空き家を購入する際『DIYがもし失敗したら、潰して更地にするか!』という気持ちでいたようで、あまり入念な下調べをしなかったことが逆に良かったと話します。空き家の用途には住まいの他にも店舗や事業所など、様々な活用方法があります。空き家の利活用への興味や想いがある人は、まずは空き家を見学するなど一歩を踏み出してみませんか。
また、さまざまな理由はありますが、居住者の施設入所や死亡、相続など、住宅の所有権が移転するタイミングで空き家となるケースが多いとされています。空き家が放置されたままになると家の価値が下がる他、老朽化が進み近隣住民や地域でのトラブルにつながる可能性があります。大切な思い出が詰まった家が手放したくても手放せない空き家になる前に、家族や親せきとどうするか話し合い、家の将来を決めておきましょう。
手遅れになる前に、早め早めの行動をとることが大切です。
■空き家バンク制度・空き家活用に関する補助をご利用ください
所有している空き家の情報を空き家バンク制度に登録すると、市のホームページなどで空き家を活用したい人に向けて物件情報を提供します。また、空き家所有者や空き家を活用したい人が使える補助制度もあるので、ぜひご利用ください。
▽空き家を所有している場合
1.物件の登録
空き家バンク登録申込書および登録カードを記入し、あさご暮らし応援室まで申し込み
2.現地調査
担当の宅建事業者が現地確認に伺い登録の可否を調査
3.空き家情報の公開
市ホームページを通して物件の情報を公開
▽空き家を取得したい場合
1.空き家情報の閲覧
市ホームページから空き家情報を閲覧
2.利用登録
空き家バンク利用登録申込書および利用者カードを記入し、あさご暮らし応援室まで申し込み
3.物件の見学~契約
気に入った物件があれば、物件の見学を行い、交渉から契約まで進めます
※空き家バンクの詳細は本紙掲載の二次元バーコード参照
▼空き家片付け支援補助金
市空き家バンクに登録した物件の所有者に対して草刈りなどの環境整備に必要な経費、ごみ処理手数料や家財道具などの処分などに必要な経費の一部を補助し、空き家の有効活用を図ります。(片付け実施前に申請)
補助額:対象経費の2分の1(最大10万円)
問い合わせ先:市民協働課(あさご暮らし応援室)
【電話】672-1492
▼空家活用促進事業補助金
婚姻による新世帯や転入者、または若者・子育て世帯およびこれらの者に空き家を賃貸する所有者に対して空き家の改修費用の一部を補助し、移住定住を後押しします。(着工前に申請)
補助額:改修費用の2分の1(最大70万円)
市内事業者利用加算(最大10万円)転入者加算(最大20万円)
問い合わせ先:市民協働課(あさご暮らし応援室)
【電話】672-1492
▼にぎわい創出補助金
市内の空き家、空店舗を活用して新しく店舗を開店する人に対して、店舗改装費、店舗賃貸料または購入費を補助します。(着工前に申請)
補助額:
(1)店舗改装費用及び備品・設備購入費の2分の1(最大80万円、ただし、備品・設備購入費の額は20万円を上限)
(2)店舗賃借料の2分の1(月額最高5万円)を2年間または店舗購入費用の2分の1(最高120万円)
補助対象業種:「小売業」「飲食サービス業」「生活関連サービス業」「宿泊業」「娯楽業」「教育、学習支援業」「医療、福祉」
※補助金を利用する際は、朝来市商工会の推薦が必須
問い合わせ先:経済振興課
【電話】672-2816
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