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我がまち朝来 再発見(第198回)

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兵庫県朝来市

■宇宙からのプレゼント「竹ノ内隕石」
3月中旬、日本のベンチャー企業がつくった小型ロケット「カイロス」が和歌山県串本町の発射場から打ち上げられ話題となりました。機体は発射され上昇しましたが、飛行中に異常を探知し中断措置が行われました。今回の打ち上げは残念ながら失敗に終わりましたが、宇宙開発には失敗がつきものなので今後の挑戦に期待したいです。
さて、朝来市に話を移しますが、今から約150年前、和田山町竹ノ内に隕石が落下したことはご存じでしょうか。宇宙空間に存在する個体物質は地球の引力により、地球に落下することがあります。それらは大気圏に突入した際、空気と摩擦し光を発して燃焼します。これがいわゆる流星です。宇宙空間からは1日に数百・数千個の個体物質が落下しておりますが、そのほとんどは地球の表面に達するまでに燃え尽きます。しかし、時折り燃え尽きずに地球の表面に落下することがあります。これが「隕石」です。
「竹ノ内隕石」の詳細については以下のとおりです。落下日時は明治13年(1880)2月18日、午前5時30分頃。落下場所は朝来市和田山町竹ノ内字奥にある岩田氏宅です。土蔵の壁に当たり、地面に落下して埋没しました。
隕石が落下した当時は、糸井村内では珍しいこととして評判でしたが、いつしか忘れ去られていました。ところが昭和55年(1980)、国立科学博物館の村山定男博士による研究がきっかけとなり、竹ノ内隕石の歴史的価値が見直されることとなりました。村山博士によると国内に落下した隕石は多数存在していますが、そのほとんどが落下地点、落下時期などが不明です。それに対し、竹ノ内隕石は岩田林八氏の報告により、落下当時の詳細な状況記録が残っています。そのうえ今でも隕石の実物が残っている国内で最も古い隕石となります。また国内に落下した隕石の中で初めて科学分析が行われ、その結果を世界に公表したものでもあります。以上のように「竹ノ内隕石」は日本における天文科学史上あるいは隕石の研究の上で、実に貴重な資料であることが分かります。
現在、落下地点には隕石落下記念碑が建立されています。落下して100年が経ったころ、地元から記念碑を建立して広く世に知らせると共に、後世に永く伝えていこうという機運が高まりました。昭和56年に和田山町文化財審議会委員を中心として「竹ノ内隕石落下記念碑建立委員会」を発足させ、寄付金などを基に記念碑を建立しました。
「竹ノ内隕石」の実物は国立科学博物館に保管されていますが、レプリカは和田山郷土歴史館で展示しています。この機会にぜひご観覧ください。
なお、和田山郷土歴史館は現在、予約のみの見学となっています。見学をご希望の場合は朝来市埋蔵文化財センターまでお電話ください。

問い合わせ先:文化財課
【電話】670-7330

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