■春の七草
皆さんに豊岡の自然を身近に感じてもらうため、豊岡らしい季節の言葉を紹介します。
◆正月7日に七草がゆを食べましょう
正月7日は、旧暦の1月7日、現在なら2月初旬くらいです。本来2月に集める植物が1月に集まるわけがないので、自分で7種類を集めるのは大変ですが、今は便利な時代。スーパーに行くとパックに入って売っています。
◇七草の歴史
平安時代ごろまでさかのぼることができる昔からの風習ですが、7種と決まったのは14世紀頃ではないかと言われています。その前は、若草摘みとしてさまざまな植物を摘んでいたようです。今では正月で疲れたお腹を優しくいたわるような扱いですが、当時の若草摘みは、真剣に食料を得るための活動だったと言われています。
◇「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞ七草」
「せり」は「セリ」、「なずな」は「ナズナ」、「はこべら」も「ハコベ」です。では、ほかの4つは何でしょう。「ごぎょう」は「ハハコグサ」、「ほとけのざ」は実はホトケノザではなく「コオニタビラコ」、「すずな」は「カブ」、「すずしろ」は「ダイコン」なのだそうです。
セリ、カブ、ダイコンはおなじみの野菜ですね。昔々の草餅はヨモギではなくハハコグサを使っていました。ナズナはぺんぺん草とも呼ばれますが、漬物にするとなかなかおいしいものです。ハコベはサラダに、コオニタビラコは、天ぷらや炒めものに使えるそうです。
どうしてこの7種が春の七草なんでしょう、不思議ですね。
写真・文:NPO法人コウノトリ市民研究所 菅村定昌(すがむらさだよし)
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