■農業を通じて幸せを感じる社会の実現を目指す―豊岡グッドローカル農業(GLA)―
豊岡グッドローカル農業(GLA)の取組みを広めるため、第1回GLA大会を11月23日、豊岡稽古堂で開催しました。高校生、大学生、一般市民など約70人が来場し、牽引する団体が取組み発表を行いました。高校生から専業農家までの幅広い発表を聞いて、幸せを感じる社会の実現に貢献する農業のあり方を参加者一人一人が考えました。
◇豊岡グッドローカル農業(GLA)とは
豊岡市が目指す農業の将来像です。農業を通じて「環境」「経済」「社会」をより良くし、持続可能で幸せを感じる社会の実現に貢献する農業のあり方です。「自然との共生」「持続可能な経営」「心と体の健康」など12の要素で表す農業の姿の実現を目指しています。
◆COARS(コアーズ)
◇豊岡の農業と都市部をつなぐためさまざまな事業を展開
豊岡の農業と都市部をつなぐため、都市部の大学の受入れ、豊岡の農業などに関する実習のコーディネート、小学生向けの農業学習ツアー、海外のオーガニック給食推進団体・農業経営者の視察研修の受入れをしています。今まで距離のあった「消費者」と「豊岡の生産者」をつなぎ、産地としての豊岡をPRしながら、安心安全な食について意識を高める取組みを行っています。また、地域おこし協力隊としての活動や過去の経験で培った知識やネットワークを基に、非農業者の立場で「農業で地域の活性化」を目指しています。
◇団体紹介
2022年3月に地域おこし協力隊2人が「食と農」の分野に取り組むため設立した団体。マルシェや農業イベント、海外向けアグリツーリズムなどの企画運営をしながら農業の魅力発信を行っている。
◆近畿大学附属豊岡高校鸛(とり)部
◇「農業の楽しさ」を広めるため部活で農業を実践
「農業の楽しさ」を、学生や若者たちに知ってもらうために、部活動の一環として農業に取り組んでいます。学校近隣の畑で収穫した野菜は、生徒や先生に配るほか、調理実習で使用したり、地元開催のイベントに出店し販売したりしています。「農業はつらいもの」などネガティブなイメージを持っていた部員も、活動を続けるうちに「農業は楽しい」という意識が根付いてきました。これからも私たちの活動を通じて、農業の魅力を若い人たちにどんどん広げていきたいと思います。
◇団体紹介
コウノトリが住める環境づくりに寄与するため、戸島(としま)湿地で自然を保全する作業や、田結(たい)湿地で生き物を増やす活動に力を注いでいる。
◆豊岡総合高校インターアクトクラブ
◇被災地支援を契機としたアイガモ農法による米作り
東日本大震災の被災地に豊岡のおいしく安心安全なお米を届けるため、市内の水田を借り上げ、アイガモ農法による稲作を始めました。収穫作業を手刈りでするなど、機械を使わず二酸化炭素の低減に努めています。また、水田周辺の生き物調査や清掃活動も並行して行い、一年の稲作の流れの中で自身の環境意識の醸成にもつなげています。収穫したお米は「インターアクト米」として、被災地や県内の子ども食堂、市内の特別支援学校などに届けています。
◇団体紹介
市内各所での清掃活動や花のプランターの寄贈、海岸漂着物の回収や湿地の除草、使用済み切手の収集など、さまざまな社会貢献活動に取り組んでいる。
◆JAたじま青壮年部
◇地域の小学校と連携した出前授業の実施
地域の小学校に出向き、田植えの体験授業を行っています。子どもたちにお米ができるまでの工程を学んでもらうだけでなく、タモとバケツを手にして生き物調査を行うことで、田んぼが多くの生き物を育んでいる様子も学んでもらいます。また、給食センターとも連携し、生産者として小学校の教壇に立ち、普段口にしている野菜がどのように育ち、出荷されているのかを子どもたちに話し、一緒に給食を食べるなどの交流も行っています。このような機会を通して、子どもたちの「農業は楽しくて、大事」という意識の醸成を図っています。
◇団体紹介
但馬在住の若手(50歳以下)の農業者の集まり。部員同士の親睦を深め、情報共有を行いながら、地域農業の振興とよりよい地域づくりを目指して活動を実施している。
◆Veggie de +(ベジー デ プラス)
◇規格外野菜を有効活用した農家によるキッチンカー事業
生産現場では多くの規格外野菜が発生してしまいます。かかる労力も味も変わらない規格外野菜を有効活用すべく、自分たちで作った野菜を調理して提供するキッチンカー事業を始めることにしました。生産現場で出た規格外野菜を使用し、タコスなどの飲食提供を行っています。この1年で115回出店し、廃棄されるはずだった規格外野菜を約900kg活用することができました。これからもさらなる経営規模拡大を目指し、農業体験、飲食提供、直売所、料理教室などを併設した農業の複合施設を開設する構想を実現したいと思っています。
◇団体紹介
土づくりにこだわり、季節に合わせさまざまな野菜を栽培し、直売している。2023年、キッチンカーによる規格外野菜を使用した料理販売を開始した。
問合せ:農林水産課
【電話】23-1127
<この記事についてアンケートにご協力ください。>