コロナ禍の3年間は、コンサートや舞台の公演が延期になったり中止になったりすることが多く、残念な気持ちで過ごした人も多かったのではないでしょうか。その一方で、インターネットの動画配信などによりコンサートや舞台の様子を手軽に視聴することができるようになり、気軽に文化芸術に親しむツールが増えてきました。しかし、そういった動画などではなかなか伝わりにくい、演者の息遣いや間合いをじかに感じ、観客との相互作用で生まれる表現に触れてほしいという願いで、町教育委員会では、演劇やクラシック音楽のコンサートを開催し、心豊かなまちづくりを進めるため、文化芸術の振興に取り組んでいます。
■豊岡演劇祭2023香美町公演
昨年に引き続き、豊岡演劇祭2023香美町公演として、3つのプログラムが上演されました。
9月17日には、岩下徹×梅津和時即興セッション「みみをすます(谷川俊太郎同名詩より)」が香住漁港東港上屋で、青年団プロデュース公演「馬留徳三郎(うまどめとくさぶろう)の一日」が香住区中央公民館文化ホールで上演されました。「みみをすます」では、観客をも巻き込んだ岩下氏のダンスと梅津氏の演奏に、多くの観客がその雰囲気に浸っていました。「馬留徳三郎の一日」は、とある集落の老夫婦を中心に繰り広げられる虚実入り混じったユーモアのある作品で、公演後には原作の髙山さなえ氏と演出の平田オリザ氏によるアフタートークがあり、作品にこめた思いなどに触れることができました。
また、9月22日には古民家喫茶&レンタルスペース岡見でヌトミック「サンデードライバー」が上演されました。長沼航による一人芝居で、主人公の祖父が体験した52年前の横須賀でのできごとを当時のヒットナンバーを交え、どことなくノスタルジックな内容が場所とマッチした作品でした。
演劇や舞台は「非日常」を楽しむ場でもあります。今年は3作品ともバラエティーに富んでおり、多くの人に楽しんでいただきました。
■大井健(たけし)クラシックピアノコンサート
9月26日、香住区中央公民館文化ホールにおいて、普段はなかなか生演奏に触れる機会がない町内の小学6年生および中学校全校生を対象に、ピアニスト大井健氏によるクラシックピアノコンサートを開催しました。
大井氏の気さくな人柄もあって、会場に来ていた小中学生に向けて、ご自身の経験を踏まえた「夢をもつこと」や「自分の得意なこと」をもつことの大切さをお話ししていただきました。
演奏していただいた曲は、バッハから始まり、ベートーヴェンやショパンなど一度は聞いたことがあるようなメロディーの曲でしたが、大井氏の情緒豊かな演奏により、音色が生み出すその先の景色に魅了された児童生徒も多かったのではないかと思います。
問い合わせ先:町教育委員会生涯学習課
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