【若い世代からのフレイル予防】
〜骨粗しょう症との関係〜
◆フレイル(虚弱)とは?
〝健康な状態〞と〝要介護状態〞の中間にあたる状態のことを指します。やせたり筋力が低下したりして歩行が困難になる「身体的フレイル」、うつや認知症、気力の衰えなどの「精神・心理的フレイル」、人付き合いの減少や閉じこもりなどの「社会的フレイル」があります。
◆フレイルと骨粗しょう症
骨粗しょう症は、骨量(骨密度)が減る、または骨の質が低下することで骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気で、身体的フレイルの要因になります。
骨は成長期にカルシウムを溜めて、女性は15〜18歳ごろ、男性は20歳前後に人生最大の骨量に達します。それ以降は新陳代謝を繰り返しながら40歳代半ばごろまで最大骨量が保たれますが、特に女性は閉経に伴い骨量が減少しやすくなります。骨粗しょう症予防に大切なことは、男女ともに20歳ごろまでに骨量のピークを高めて、50歳以降の骨量の低下を食い止めることです。
◆特に気を付けたい年代別の対策ポイント
○10歳代
・バランスのよい食事を心がけ、牛乳などの乳製品を積極的に取る
・過度なダイエットをしない
○20〜30歳代
・喫煙と過度の飲酒は控える
・若いうちに骨量測定を行い、自分の最大骨量を知る
○40〜50歳代
・年に1回程度、定期的に骨量測定を行い、現状を知る
○60歳代以降
・転倒に注意して骨折を予防する
・定期的に骨量測定を行い、腰や背中に痛みを感じる、身長が縮んだと感じる時は受診する
◆50歳になる前から対策を始めよう
骨を強くするには適度な運動、日光浴、十分な栄養が必要です。
骨の成長期である子どもの頃から、骨にかかる力が大きく、繰り返しが多い運動(ダンス、陸上競技、バスケットボール、バレーボールなど)をすることで骨が強くなることが分かっています。ウオーキングやジョギングは体内でビタミンDの合成を促すことから、日中に行うことがおすすめです。また、スクワットやかかと上げ運動(図1・本紙参照)などの筋力トレーニングも加えるとより効果的です。
運動は楽しくなければ続きません。目標を立てて、運動の記録をつけると励みになります。「香美町健(幸)ポイント事業」や「通いの場アプリ」などを上手に活用してください。
◆骨を強くする栄養素
・骨の材料となるカルシウム(乳製品、小魚、大豆など)
・カルシウムの吸収率を高めるビタミンD(サケ、サンマ、干し椎茸など)
・骨の形成を促すビタミンK(ほうれん草、小松菜、納豆やキムチなどの発酵食品)
◆20歳から骨粗しょう症検査を行っています
町ぐるみ総合健診では、かかとの骨を超音波で測定しています。若い世代から毎年健診を受けて病気を早期発見し、〝やせ〞や筋力低下などのフレイルの芽を放置せずに生活習慣を見直すことが大切です。
問い合わせ先:役場健康課
<この記事についてアンケートにご協力ください。>