4月に全国の小学6年生と中学3年生を対象に、学力・学習状況調査が行われました。児童・生徒の学力向上には、学校のみならず、保護者や地域の皆様にも現状を理解していただき、学校・家庭・地域が連携していくことが必要であることから、今年度の調査結果の概況をお知らせします。
◆学力の状況
学力調査は、小学校では国語・算数の2教科、中学校では国語・数学・英語の3教科が実施されました。小学校では2教科とも全国平均よりもやや低い結果となりましたが、国語は4割の児童が、算数は7割の児童が、あと一問正解すると全国平均となる結果です。
中学校では3教科とも、全国平均以上の結果となりました。小学校の結果ですが、国語においては、「書くこと」「読むこと」の分野、算数では、「データの活用」の分野が高い正答率となっています。「記述式」が国語では高く、算数では全国平均並みの結果です。
中学校では、国語においては「書くこと」が高く、例年不得手としている「記述式」が全国平均並みとなっています。数学では「関数」「データ活用」が高く、英語では「聞く」「読む」が高い結果となっています。
小・中学生とも「記述式」の結果が充実していることから、「思考・判断・表現」の力がついていることがうかがえます。
町内の各小中学校では、結果の数値の高低のみに目を奪われることなく、自校の児童・生徒の得手不得手の傾向を分析し、「学力向上プラン」を策定し授業改善に努めています。児童生徒にとって学ぶ意味を感じ取ることのできる「学習」とはどのようなものなのか。知識の詰め込みに終始しない授業を求め、各学校では児童生徒の実態に合わせて学習への意欲が高まる授業を目ざして奮闘しています。
毎日の学習は、児童・生徒の興味関心にかみ合って初めて意欲につながり、「学力向上」の足がかりとなります。学校・家庭・地域全体で児童・生徒を暖かいまなざしで見つめ、励ましていくことが何よりも大切なことです。
■学力の全国・全道平均との比較グラフ
◎小学6年生
◎中学3年生
※グラフは、全国の平均値を100としたときの、全道とせたな町の平均値を%で示しています。
◆学習・生活の状況
小学校も中学校も学力調査の結果が全国平均と比して一定の水準を保っているのは、、「先生はあなたのよいところを認めていますか」に対し、「認めている(「どちらかと言えば認めている」も含め)」が小学生100%・中学生93%と圧倒的な高い率になっていることとの関連も考えられます。児童・生徒にとって、先生方との信頼関係は学校生活を安定させる基盤だからです。
各教科の授業について、「よくわかる・どちらかというとよくわかる」と回答した率ですが、国語については小学生90%、中学生95%、算数・数学は小学生94%・中学生82%、英語は中学生69%となっています。これは全国平均よりも高い率であり、担当する先生方が授業改善をおこたならい日々の努力の成果とも言えます。
平日の学習の時間(グラフ)は、「1時間以上」が小・中学生とも60%程度ですが、その中の「2時間以上」が小・中学生とも10%強との実態です。また、「新聞を週1~3回以上読む」は小学生5%、中学生20%。中学生のこの数値が全国平均よりも高いことをどのようにとらえたらよいのか。今後とも、児童生徒の読書習慣の実態と合わせて分析していかなくてはなりません。
「地域行事への参加」(グラフ)について。今年度は小学生70%、中学生60%に。コロナ禍で中止となっていた祭典行事が市街地では4年ぶりに復活となりました。来年度はこの数値が上がることが予想できます。
子どもたちは地域で育ちます。子ども達と大人が安心して生活できる地域。その地域と学校が連携し、子ども達の健全な成長を促したいものです。
◎小学6年生平日の家庭学習時間
◎中学3年生平日の家庭学習時間
◎小学6年生地域行事への参加
◎中学3年生地域行事への参加
◆せたな町教育委員会の学力向上の取り組み
今年度の結果を踏まえ、せたな町教育委員会では、学校と連携を図りながら今後も以下の取組を進めてまいります。地域の皆様のご理解・ご協力をお願いいたします。
(1)教員の各種研修会参加、町教育研究会研修活動助成による教員の資質向上への支援
(2)GIGAスクール構想にもとづくICT機器による学習環境の充実・プログラミング教育の推進
(3)外国語指導助手、特別支援教育支援員、学校図書室支援員等の配置による教育条件の整備
(4)地域産業と連携した教育活動(地域に根ざした教育)の推進
(5)学校と家庭が連携した生活習慣改善の取組
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