◆ある臓器とは?
今回はある臓器について解説します。その臓器は、血圧、血糖、水分・塩分量などの体内環境を常に適切な一定の状態に保つためのホルモンを生成しています。その臓器の位置は両側腎臓の上端にあり、大きさは小指頭大で、丸い三角形をしています。この臓器は脳からの刺激ホルモンの作用を受けて機能しています。さてこの臓器は?
◆その答えは
副腎です。副腎は二層構造で、ちょうど肉まんの様な構造をしています。肉の部分と皮の部分に分けられ、肉の部分からは、血圧を上げるホルモンが分泌され、産生過剰状態になると極端に血圧が高くなったり、頭痛、体重減少を引き起こしたりなどの症状が現れます。
◆副腎の構造と働き
さらに、皮の部分は三層構造になっており、それぞれの層から異なる酵素が分泌されます。一番外側の第1層からは、腎臓でナトリウムを再吸収するホルモンが分泌され、第2層からは、細胞の生存に不可欠なホルモンが出ます。第3層からは、男性ホルモンが分泌されます。人間がストレスを受けると、第2層から「コルチゾール」と呼ばれるホルモンが分泌され、血圧や心拍数を増加させたり、脳を覚醒させたりします。また、血糖が低下しているときに血糖を上昇させたり、脂肪を燃焼させてエネルギーを産生させたりします。
◆副腎のはたらき
体の免疫反応の一つに炎症があります。体内に侵入した細菌やウイルスを排除するために免疫機能が働くと、熱や腫れなどの炎症が起こります。このとき、コルチゾールが分泌され、炎症や免疫機能を抑える作用をもたらします。コルチゾールは、一時的なストレスに対しては適切な量が分泌され、生命維持にプラスに働きますが、これが長期にわたり過剰に分泌されたり、副腎が疲れて必要なタイミングで分泌ができなくなったりすると、やがてストレスに対処できなくなり、さまざまな病気の引き金になります。
◆副腎の機能を維持するには?
コルチゾールの合成にはビタミンCが必要で、ビタミンCを多く含む食品を積極的に摂取することが必要です。また、眠っている間は副腎を休ませることができますので、十分な睡眠をとることが重要です。今年は副腎を大事にして、福をもたらす人生になるよう努めましょう。
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