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[特集]地域とともに、進化する シン・ニセコ高校(3)

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北海道ニセコ町

◆ニセコ高校にかける思い
ニセコ高校と深くかかわりのあるみなさんに、ニセコ高校の魅力やこれからのニセコ高校に期待することなどをインタビューしました。

◇多様な価値観を共有できる学校を実現したい
・ニセコ高校 校長 本谷 一(もとや はじめ)さん
理科の教諭として、紋別北高、中標津高などに勤務。道教委指導主事を経て転職し、京都市立塔南高校教頭・副校長、京都市立日吉ヶ丘高校長などを経て、令和5年4月より現職。

2026年度からの総合学科転換に向け、教育方針や生徒像などの目標を明確にしました。今年度始めた新しい取り組みにより、学校全体に前向きで主体的な機運が生まれています。生徒の良さを伸ばすためには、生徒が希望する学びを実現できるよう活動資金を確保し、自ら成長できるような学校風土をつくることが大切です。ニセコ高校には多くの学びのチャンスがあり、世界とつながる実感を持ちながら学ぶことができます。
ニセコ町には、多くの外国人と直接対話できる環境があります。加えて、ニセコ町の国際性に興味を持つ提携大学の外国人留学生と生徒が協働して学ぶことで、リアルな国際教育が実現できると思います。また、学校と地域が一緒に生徒を育てるのがニセコ高校の大きな特色です。地域のみなさんは、学びの機会をたくさん作ってくださいます。これこそが、ニセコ高校の魅力です。
ニセコ町の国際性を生かし、それぞれのバックボーンを持つ人たちがニセコ高校に集うことで、全国や海外とつながることができる面白い学びの環境を作っていきたいと考えています。多様性を大切にし、多様な価値観を共有できる学校を実現していきたいです。

◇生徒の挑戦を、先生たちは応援します
・ニセコ高校 教諭 川岸 賢司(かわぎし けんじ)さん
数学教諭。ニセコ高校6年目。教務部長
ニセコ高校は、この国際性豊かなニセコ町にあり、日ごろからたくさんの地域の人に応援していただいています。このことがニセコ高校の大きな財産だと思います。
入学当初はなかなか自分の意見を発言できないような生徒も、卒業するころには、人前で堂々と発言できるようになっています。このような成長が見られるのは、地域の人と交流し、教室の外でさまざまな経験をすることができるからだと思います。
以前、私は地域の人に「高校生がもっと町に出てきて学習してくれたらうれしい」と言われたことがあります。今年度は、地域に関する探究活動をこれまで以上に充実させていくことに取り組んでいます。ニセコ高校は現在、大きな変革期にありますが、新しいニセコ高校が地域の人や生徒、保護者、教員などの思いを実現した学校になってほしいと思っています。そのために私たち教員も頑張りたいと思います。ニセコ高校には、さまざまな経験をするチャンスがたくさんあり、それを後押ししてくれる先生もいますので、生徒には安心していろいろなことに挑戦してほしいです。

◇この3年間の経験が自分自身の成長につながった
・ニセコ高校 3年生 長谷川 凜(はせがわ りん)さん(グローバル観光コース)
4年生に進級すると、マレーシアで実践的な研修を積むことができ、観光を深く学べるということが決め手でニセコ高校に入学しました。
普段の取り組みの中で、地域の人が積極的に高校生と関わってくれようとしていることを感じます。地域の人と協働で取り組むイベントなどを通し、自分もニセコ町の一員として町の活動に関われていることがうれしいです。たくさんの人が関わって一つのものが成り立つということが高校生のうちに実感できるのは、町のアットホームなコミュニティがあるからこそだと感じています。
私は、ニセコ高校ならではの特色ある授業や研修などに自主的に参加したことで、物事を見つめる視野が広がりました。ニセコ高校での経験が自分自身の成長につながったと実感しているので、後輩たちには私と同じような経験をして、成長していってほしいです。さらに、今目指しているニセコ高校の姿を実現してほしいです。

◇ニセコ高校魅力化検討委員会委員
・高井 啓さん(ニセコ髙橋牧場)
ニセコ高校とは、インターンシップの受け入れや商品のコラボなどで深い関わりがあります。魅力化検討委員会では、どういう学科にしていくか、どういう生徒に育てたいか、目指す生徒像など、ニセコ高校の将来について考えています。
ニセコ高校の生徒には、型にハマらず、時代に合った生き方で、どんなことにも柔軟に対応できる臨機応変さを大事にしてほしいです。
みなさんも、地域とともにあるニセコ高校・生徒と関わってみませんか。

◇ニセコ高校魅力化検討委員会委員
・本間 泰則さん(ニセコワイナリー)
私たちは8年間にわたり、ブドウの植え付けからワイン醸造までを生徒たちに体験してもらう学習の機会を提供してきました。さらにインターン生には、ワインツーリズムやビジネスも学んでもらいました。
この取り組みは、地域の資源を生かし、未来のグローバル人材の育成を目指すニセコ高校の新しいカリキュラム作りにも大きく貢献しています。
私たちニセコワイナリーは、さらなる協力を惜しみません。

◇ニセコ高校希望ヶ丘寮管理人
・鈴木 弘文さん
希望ヶ丘寮が始まった当初から今まで、寮生の食事を提供し、寮の施設管理に従事してきました。今年で30年余りになりますが、毎年子どもたちの成長を見るのが楽しく、やっててよかったと思える瞬間がたくさんあったので、ここまで続けることができました。
卒業後も寮生が会いに来てくれて、近況報告をしてくれるのがうれしいです。これまで寮生からもらった寄せ書きやプレゼントは、私にとって大切な宝物です。

ニセコ町のまちづくりとニセコ高校は、密接なかかわりの中で、ともに歩み続けてきました。ニセコ町ならではの地域性が、ニセコ高校の学びの資源となり、生徒の主体的な行動力につながっているのだと思います。
ニセコ高校は、これまでつないできた地域との絆を継承し、まちづくりの担い手となる「シビックプライドを持ったグローバル人材」の育成に向けて今、新しい挑戦をしようとしています。
「地域に育てられ、地域とともに成長する」それが、ニセコ高校です。

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参考文献:
・ニセコ高校ホームページ
・ニセコ高校入学生学校案内パンフレット
・ニセコ高校教育発表会資料

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