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[特集]令和6年度 まちの仕事の方針(1)

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北海道ニセコ町

新しい年度がスタートしました。
町と教育委員会では、3月定例議会で新年度予算を決めるとともに、今年度のまちづくりの方針である「町政執行方針」と「教育行政執行方針」を明らかにしました。
今月はこの方針について、みなさんにお伝えします。
なお、令和6年度の詳しい予算は、5月に配布する「もっと知りたいことしの仕事2024」をご覧ください。

◆町政執行方針
わが国では、悲惨な戦争を二度と繰り返さないとの強い決意の下、日本国憲法が制定され、その前文において「恒久の平和」を誓っているところです。しかし残念ながら、2022年のロシアのウクライナへの軍事侵攻をはじめ、昨年はイスラエルによるパレスチナガザ地区への軍事侵攻が勃発するなど、悲惨な戦争が拡大しつつある大変憂うるべき事態となっています。加えて、私たち人間が営んできた経済活動の結果、二酸化炭素排出量の増大による地球温暖化やプラスチックの廃棄による海洋汚染の拡大など、地球環境は悪化の一途をたどり、次世代に豊かな地球環境を引き継ぐためには「地球環境負荷の低減」、「気候変動対策」が緊急を要する事態に直面しています。
また、我が国においては、急速に進む少子化により、2008年12月の12億8百万人をピークとして、毎年100万人ペースで人口が減少、2100年には6,300万人にまで減少することが見込まれています。本年、1月に公表された人口戦略会議「人口ビジョン2100」においては、8,000万人で人口減少をくい止めなければ日本の未来はないとし、「人への投資」を基本とした抜本的な強靭(じん)化戦略を打ち出しているところです。
加えて、我が国においては、34年前の1990年には東京一極集中への危機感から、国会および政府関係機関の地方移転、1993年には中央集権体制を是正し、活力ある国家を創るため「地方分権推進」の決議がそれぞれ国会でなされていますが、残念ながらいずれも未完のものとなっています。
国の財政の状況を見ますと、国債残高はこの3月末で1,105兆円となる見込みとのことであり、国の税収を生み出す元となる国の経済規模(GDP)の2倍に達するという危惧すべき事態となっています。「全世帯の所得分布の中央値」を比較しての暮らしの状況においては、30年前の1994年に505万円であった中央値が、2019年には375万円に減少、2021年においても423万円と先進国の平均を下回るなど、国民生活においては、物価は上がり、世帯所得が減少するという状況で、所得格差は拡大の一途をたどっている実態となっています。
こうした内外の厳しい経済環境ではありますが、本町での住民基本台帳人口では、今から34年前の1990年の4,483人を最小に、以後横ばいから微増状態に転じ、5,000人台に載せることができました。町税においても2009年の予算額は6億9百万円でありましたが、本年度の当初予算額では9億7千4百万を計上することができています。このことは、観光関連施設の立地や企業誘致による雇用環境の拡充などによるものであり、町民、町議会議員、ならびに事業者のみなさまがたのご尽力によるものと厚く感謝を申し上げる次第です。

本町では、本年10月1日に「狩太町」から「ニセコ町」に町名を改称してから、60年の節目を迎えることとなります。駅名を狩太駅からニセコ駅に改名しようとした活動を、町名改正までつなげてしまうという当時の町民のみなさんの行動力に深く敬意を表しつつ、今後とも、先人のご労苦に応えるよう持続可能なまちづくりに努めてまいりたいと決意しています。
本年度予算の編成にあたっては、国の地方財政計画との整合を図りつつ、これまで同様、(1)「経済合理性優先の社会」から人々の尊厳を大切にする「共感資本社会」づくりへの転換、(2)拡大し続けている暮らしにおける格差の是正、(3)「地球環境負荷の低減」と「気候変動対策」の従前の3つの課題に加え、本年は、学校給食費の無償化枠の拡大など、子育て環境のなお一層の拡充に努めることに重点を置き予算編成を行っています。
新年度においても、住宅不足や交通の利便向上への対策とともに、有島武郎の遺訓「相互扶助」の理念が息づくまちとして、子どもから今日の社会を築いてこられたご高齢のみなさまが、安心して暮らすことのできる、人間の尊厳を大切にまちづくりを進めます。
また、これまで進めてきた企業の誘致につきましては、本町のまちづくりに共感し、これまでの総合計画の暮らしやすさが実感できる「小さな世界都市ニセコ」、環境と景観を大切にする「環境創造都市ニセコ」、そして持続可能で相互扶助の「こども未来共創都市ニセコ」の理念に共感いただけ、ともにまちづくりに参加する「良質な企業」を前提に誘致活動を継続してまいります。
なお、これまで国に対して提言してきた(1)「所有者不明土地」については、その土地の所有権を希望する自治体に移管すること、(2)デジタルノマド・ビザの創設においては滞在期間の延長を、(3)水道耐震化改修など水道施設維持補助交付金の制度の抜本的な拡充について、引き続き要請活動を継続していくこととしています。

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