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ニセコ高校、全日制の新しい学校へ(1)

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北海道ニセコ町

全国唯一の緑地観光科として、ニセコの基幹産業である農業と観光の学びを深め、多くの卒業生を輩出してきたニセコ高校は、2025年度を最後に、生徒募集を終了する予定です。
2026年度には、全日制の進学型単位制総合学科へと生まれ変わり、新しい学校を設置する方向で検討しています。
2年後のニセコ高校は、いったいどんな学校へと進化するのでしょうか?

◆ニセコ高校〜全日制へ
ニセコ高校は、1学年定員40人の昼間定時制の町立農業高校です。全国唯一の緑地観光科として、1年生では農業と観光の基礎・基本を全員が学習。2年生からはアグリフードコースとグローバル観光コースに分かれ、町の主幹産業である農業や観光の専門的な学びを深めています。
しかし、入学者数は2013年以降、減少傾向が続き、2020年には9人にまで減少。これまでの「農業と観光の担い手育成」に注力した教育プログラムは、生徒の学びのニーズに合っていないことや、生徒を惹(ひ)きつける学びの魅力不足が指摘されていました。
町はこの現状を打開するため、昨年6月に、2026年度からの総合学科転換を決めました。
さらに、全日制への転換と定員の拡大も検討しており、現在の1学年あたり40人定員1学級から、35人定員2学級(70人定員)に拡大する方向で検討を進めています。

◆学校経営の基本方針(2024年度学校経営方針より)
◇生徒がつくる学校
2026年度から始まる新しい学校の学びを先取りして取り組み、生徒自身が新しい学習環境や学びをつくり出すことで、学校への誇りや思い入れを深める。

◇生徒が生き生きと学べる学校
生徒が互いに異なる価値観を理解し、尊重し合うことを大切にする。また、生徒一人ひとりが主体性と自立性を高め、自分たちでより良い高校生活をつくり出す。

◇生徒がなりたい自分になれる学校
起業家教育と国際教育の2つの柱を通して、アントレプレナーシップや国際性・英語力を高め、自らのキャリアを描き、実現する。

◇生徒が地域から愛される学校
地域の企業や団体などと連携した実践的な学びと、地域の人との協創による行事などの実施を通して、地域から愛され応援される存在になる。

◆全日制の新しい学校ってどんな学校?
Q:なぜ全日制へ転換するの?
A:生徒一人ひとりの進路に合わせた多様な大学への進学を実現するとともに、まちづくりと連動したニセコらしい学びと、グローバル化への対応を実現するためには、教員数や生徒数をはじめとする教育資源を充実させ、教育課程を拡充することが必要です。そのため、全日制への転換や学校規模の見直しを検討しています。

Q:なぜ定員を増加するの?
A:
(1)学校の活性化
2クラスあることにより、特色ある学びや学校行事の充実、部活動での高体連・高文連への参加などを通して、切磋琢磨しあえる環境ができます。
(2)教員数の増加
より多くの教諭を配置できるため、数学・英語の習熟度別少人数指導や理科の各科目の履修によって、難関・理系大学進学への対応と、ニセコらしい特色ある学びの両立が可能になります。
(3)生徒の入学定員拡大により、ニセコ中学校からの希望者も入学がしやすくなります。

Q:入試の仕方はどう変わるの?
A:これまでの入試方法は面接のみでしたが、全日制になる予定なので、学力検査や面接などを実施します。

Q:定員増加に伴う教室の確保は?
A:すでにある実習室などを今後段階的にリフォームし、生徒の受け入れ態勢を整えます。

Q:学科転換期の学習面の対応は?
A:2026年度の学科転換から始めるのではなく、可能な限り今の生徒の学びに反映できるよう、すでに新しい教育を進めています。

Q:教育課程はどう変わるの?
A:これまでのコース別学習と異なり、自分の進路に合った科目を自分で選択して学びます。総合学科は、普通科の科目と専門的な科目の両方を選択して学ぶことができるしくみです。2026年度からの教育課程案を現在検討しています。

◆新しい学校の教育課程案
(1)まちづくりを教育に
・SDGs未来都市の高校として、持続可能な観光、国際教養、複数の外国語を学びます。
・環境モデル都市の高校として、学校独自教科「環境学」の科目を学びます。
(2)地域資源を教育に
・学校独自教科「ニセコ学」で、ニセコの産業、自然、歴史、文化について学びます。
・学校独自教科「国際教養」で、世界の言語と文化、持続可能な観光について学びます。
(3)DX・アントレプレナーシップを教育に
・起業家教育として、データやAIを活用し、地域課題の解決を目指す探究活動に取り組みます。
・文理複眼的な思考を身に付けるため、すべての生徒がデータやAIに関する科目を履修できるようにします。
(4)難関・理系大進学への対応
・キャリア実現を図る系列選択群(メジャー)と、興味関心に応じた選択科目群(マイナー)を自由に組み合わせて学びます。
(5)英語教育の充実
・専門教科「英語」の学校設定科目で、高度な英語力を身に付けます。
(6)日本語教育の導入
・外国人生徒や日本語能力が十分でない生徒のために、学校独自科目で日本語を学べるようにします。

◆ラジオニセコに出演しています!
◇ラジオニセコハイスクール
先生と生徒が部活動や生徒会、学習の様子など、普段の学校生活を紹介しています。
6月の放送日は、1日(土)と29日(土)の2回です。

◇清谷凌・工藤浪子の何かお届けラジオ
生徒会長の工藤さんと、教員の清谷先生2人によるトーク番組です。
6月の放送日は21日(金)です。ぜひお聴きください!

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