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自治体の皆さまへ

辰年 令和六年年頭のご挨拶

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北海道上ノ国町

■謹んで新年のお慶びを申し上げます
上ノ国町長 工藤 昇(くどう のぼる)

町民の皆様、新年おめでとうございます。
希望に満ちた輝かしい令和六年の初春を、ご家族お揃いで健やかにお迎えのことと、心からお慶び申し上げます。
私は町民皆様の温かいご支援のもと、悠久の歴史と伝統に輝く上ノ国町の町長として、今年で二十二年、六期目の折り返しを迎えることとなりましたが、皆様には、平素より上ノ国町行政全般に対しまして、ご支援とご協力を賜り衷心より感謝申し上げます。

これまでの二十一年間を顧みますと、就任当時は厳しい財政状況でありました。
そのため、平成十七年度を初年度とする五年間の行財政改革(自立プラン)を策定し、厳しい財政状況や目指すまちづくりの形について、町民皆様に共通の認識を持っていただくようお願いし、職員の給与や各種団体への補助金の削減、町有施設の運営見直しや廃止など、行政・財政・組織改革を徹底。改革を断行した結果、公債費償還のピークを過ぎるなど、平成二十一年には財政健全化の目途が見えてきました。このため「町民には我慢と忍耐を強いてきたが、明るい施策も展開したい」との私の方針の一つとして、平成二十一年八月より全国で初めてとされる高校生までの医療費の無償化を行いました。

現在は子育て支援施策として、保育料・学童保育負担金の無償化、小中学生の学校給食費の全額補助制度、出生祝金支給制度などを行っています。この背景には日本創成会議が発表した将来推計人口で二千四十年には一千九百八十八人と大幅な減少が推計されており、地域の活力低下や産業の低迷が懸念され、将来的に自治体を維持できない可能性があると指摘されたことにあります。そのため本町では、人口減少問題は自治体の存亡に関わる最重要課題と位置づけ、少子化の進行を食い止めるべく、これまで行ってきた子育て支援策に加え、出産から高校卒業まで切れ目のない施策を行い、子どもを産みやすい、育てやすい「子育てにやさしいまち」を目指し、この支援策を通じて、将来にわたる子育ての金銭的負担を軽減し、一人でも多くの子どもを産み育てていただくことを期待しているところでございます。

また、持続可能なまちづくりを進めるためには、自主財源の確保が絶対的に必要となることから、本町は大型風力発電の誘致に力を入れています。町の固定資産税歳入予算は、一億九千万円程度ですが、そのうち陸上風力関連の固定資産税が、三千五百万円を占めており、今後は設備の更新により継続的に税収を確保することができます。先ほど述べましたが、今後は人口減少が進みます。それに伴って税収は減少していきますが、各施策のほか道路、上下水道及び福祉施設などのインフラの維持には財源が必要となります。大型風力発電の誘致は将来の町民の暮らしを守る財源につなげる手段となるのです。

檜山沖海域が昨年五月に洋上風力発電事業の有望区域に選定され、法定協議会が設置されました。発電事業が公募される促進区域の指定を目指して漁業者や地域関係者等と諸問題について話し合い、合意形成に向けて協議をしている段階にあります。先の陸上風力発電所の建設では、本町の建設会社が下請会社として参加し、ガソリンスタンドなども利用され、町内の旅館業者には多くの工事関係者が宿泊していたため、洋上風力発電の誘致においても同様の状況が見込まれ、町内経済に多大な効果をもたらすものと期待していることから、洋上風力発電事業の誘致を推進し、町税の増収や地元経済への効果をもたらすことを政策の柱として取り組んでいます。

これまでの施策展開は子育て支援のほか、農業・漁業を重視した支援策を行って参りましたが、観光は投資のわりにリターンが少ないと思っていたところ、二千十六年に北海道新幹線が開通し、東京都と北海道が一本でつながりました。
北海道の玄関口となる隣町の木古内駅は、本町湯ノ岱地区から車で二十分に位置し、さらに二千二十二年には高規格幹線道路函館・江差自動車道の茂辺地木古内道路(北斗茂辺地IC~木古内IC)の開通により他地域からの交流人口が大きく増加することが見込まれ、観光などさまざまな分野での経済効果が期待されることから、かねてより観光資源としてワイナリー構想を進める中、道外企業より会社へ出勤せずにパソコンと通信環境で勤務できる施設整備の提案がありました。新型コロナウイルスの影響により働き方も多様化となり、密集や密接を避けて地方や観光地などで一定期間宿泊しながら仕事をする方の需要も見込んで、宿泊施設とワイナリーとの併設を決断。二千二十一年に地方創生の一環として、閉校した湯ノ岱地区の小学校を総事業費四億五千万円かけて改修し、運営は民間事業者が行っています。二千二十一年十月から北海道及び国内産のブドウを使用し醸造を開始、二千二十二年に第一弾となるスパークリングワインを発売しました。以降買いブドウでワインを仕込んでいますが、早ければ二千二十五年には町内で収穫したブドウによるワインの醸造を目標としています。

結びになりますが、私は常日頃から、まちづくりには何よりもまず、町民皆様が「自分たちが、自分たちの手で、自分たちの知恵でまちづくりをしている」という自負と責任を共有することが、何よりも肝要であると考えております。
「みんなで創る 誇れるふるさと上ノ国」実現のため、今後とも町政に対する一層のご支援とご協力を賜りますようお願いいたしますとともに、令和六年、この新しい年が明るい話題で満ちあふれ、皆様一人ひとりにとって実りの多い素晴らしい年であることを心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。

令和六年元旦

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