■10月10日は、目の愛護デー
今月は 保健師 石田 洋子 です
近年、子どもたちの近視が増えており、明らかに発症年齢が若年化していることが世界的な問題となっています。近視はたとえ軽度でも、緑内障や網膜剥離などの目の病気にかかるリスクを4倍も上げてしまうということが、研究調査で明らかとなりました。
これから長い人生を送る子どもたちの目を守るためには、子ども時代に近視を発症させない、進行させないことが非常に重要であると言われています。
■近視って?
遠くも近くもはっきり見える状態を正視。近視は、近くのものは見えるが遠くのものはぼんやりとしか見えない状態をいいます。近くを見続けるスマホやタブレット、ゲームなどの使用時間が長いこと、野外活動の減少が影響し、子どもたちの近視が増えてしまっています。
◇10歳頃までの視力の発達が大切
「見る力」にはさまざまあり、複雑です。マス目に字を書く、文章を読む、ボールをキャッチする、階段を上り下りするなどの動作は、無意識に立体感や距離感を「見る力」によってつかんでいます。10歳頃までにこれらの「見る力」の発達がほぼ完成され、さらに発達していきます。この大事な時期にしっかりと発達させてあげることが大切です。
○生後0か月
視力:0.02~0.04
光や物の形がぼんやりとわかる程度。
○生後2〜3か月
視力:0.05位
物をじっと見つめたり、動く物を目で追ったりする。
○1歳頃
視力:0.3程度
この時期に目の機能が急速に発達する。
○3~5歳前後
視力:0.8〜1.0程度
大まかな立体を見ることができるようになる。
○6~8歳頃
視力:大人と同程度
目の発達がほぼ完成する。
◇近視を発症させない、進行させないために
スマホやゲームなど近い所を見る作業以外に、世界共通で認識・信頼されている近視の原因には、「外遊び」の減少があります。日光に当たる時間が少ない子は近視になりやすいそうです。1日2時間の外遊びが推奨されています。
近い所を見る作業をするときは、少なくとも30cm以上目を離して作業すること、30分に一度は遠くを見て連続させないことが、近視予防に効果があると証明されています。また、十分な明るさを保った環境であることも大切です。「ゲームは1日〇時間まで」などと家庭での決まりを作ることは大切です。目安としては小学生であれば平日2時間、休日3時間と言われています(連続時間ではない)。これ以上の場合は、ゲーム依存、スマホ依存になりやすいといった調査結果もあり、目とは別の問題も出てきますね。
人生100年といわれる時代を生きていく子どもたちが、目を使い続けることができるよう、手遅れになる前に守ってあげられるといいですね。
問合せ:保健福祉課 健康支援グループ
【電話】0139-55-4460
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