「将来結婚したら子どもが欲しい」「いずれ妊娠したい」と考えている若い世代に『プレコンセプションケア』が勧められています。
コンセプションは「妊娠・受胎」を意味し、女性やカップルが将来の妊娠を意識して、それ以前(プレ)から自分の生活や健康に向きあうことです。
妊娠や出産には適切な時期があり、その時に健康であることも大切なことです。
何歳位が妊娠や出産に適切な時期なのか、どのような状態が「健康」なのかなど、若いうちから正しい知識を得て、自分の健康を意識することは、希望した時の健やかな妊娠・出産と、生まれてくる子どもの健康の可能性を広げることにつながります。
また、男女共にこれからの人生の選択肢を広げていくことにもつながります。今回は、知っておきたいプレコンセプションケアのひとつ、感染症の予防についてお伝えいたします。
■気をつけたい感染症
◇風しん感染
風しんは、発熱や発疹、リンパ節の腫れを特徴とする風しんウイルスによる感染症です。飛沫によって感染し、2〜3週間の潜伏期間を経て発症します。
殆どの場合は感染しても軽い症状で治まりますが、妊娠初期の妊婦が感染すると、白内障や先天性心疾患、難聴などを特徴とする「先天性風しん症候群」の子どもが生まれる可能性がでてきます。
これまでの感染の流行や予防接種によって、多くの方は免疫(風しん抗体)をもっていますが、一部の世代の男性の中には、免疫が少なく風しんに罹りやすい方もまだいることがわかっています。
生まれてくる子どもを守るためには、これから妊娠する可能性のある女性が風しんに感染する機会を社会全体で、できる限り少なくすることが大切です。
現在、風しん免疫の少ない世代(昭和37〜54年度生)の男性は、無料クーポン券で風しん抗体検査と、必要に応じて予防接種も受けることができます。
対象者には平成31年4月以降、令和7年2月までの期間限定の無料クーポン券を送付しております。希望される方でお手元にない方は町保健師にお問合せ下さい。
◇ヒトパピローマウイルス(HPV)感染
HPVの感染は、子宮頸がんの主な原因として知られています。子宮は、子どもを育む大切な臓器です。
子宮頸がんは早期に発見し、適切な治療ができれば、命をおとさずに治すことができる病気ですが、進行した状態でみつかった場合は手術が必要になり、不妊や流産・早産のリスクになったり、子宮を失う原因になる場合もあります。
また、子宮頸がんの罹患率は、20歳代後半から急増し、40・50歳代に多くなる若い世代に多いがんです。
HPVは主に性交渉により感染し、殆どの方が感染するありふれたウイルスで、多くは自然に消えていきますが、一部の方でウイルスの感染が持続して、がんへと移行してしまいます。
HPVワクチン接種には、子宮頸がんを起こしやすいHPVの感染を防ぐ効果が期待できます。
現在、公費(自己負担無料)で受けられるHPVワクチン接種は、定期接種としての13歳から16歳の女性の他、令和7年3月までは平成9年度以降に生まれた女性も対象としています。
中川町では5月頃に対象となる方に個人通知でご案内いたします。
■将来のためにできること
・母子手帳で自分の予防接種履歴を確認しましょう(風しん・HPV)
未接種の場合は、対象年齢になったら検討を!
・S37.4.2〜S54.4.1生まれの男性は、風しん抗体を検査で確認しましょう
・20歳以上で検診対象になったら子宮頸がん検診を受けましょう
・感染対策の徹底
感染症の原因となる病原体には、不妊の原因や将来の子どもの健康に影響を及ぼすものもあります。
問い合わせ先:住民課幸福(しあわせ)推進室 保健師
【電話】7-2813
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