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中札内村立診療所便(だよ)り(No.29)

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北海道中札内村

■HPVワクチン(通称 子宮頸がん予防ワクチン)接種のススメ~キャッチアップ接種が今年度で終了します~
所長 髙石恵一

所長の髙石です。皆さんは「子宮頸がん」という女性特有の「がん」をご存じでしょうか?日本では1年間に1万人以上の女性が発症し、2022年の子宮頸がんによる死亡は2,999人。他のがんよりも20~40歳代の若い方の死亡が多いのが特徴で、年々増加傾向にあります。主な原因は性交渉によるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因とされ、定期的な子宮がん検診とともに、予防の切り札として2013年にHPVワクチンが定期接種化されました。
ところが、ワクチン接種後にからだのあちこちに痛みが生じたり、手足が動かしにくくなるなどの「多様な症状」が見られたお子さんが複数いたことから、マスコミがこれらを強調して報道した時期があり、日本では長い間HPVワクチンは積極的な接種をお勧めすることが控えられてきました。世界的にHPVワクチンの有効性がより確実になる一方で、その後の日本国内の研究でもワクチンと「多様な症状」との関連性は医学的に証明されず、海外を含めても現在までにHPVワクチンが原因であるという因果関係を証明する科学的・疫学的根拠は示されませんでした。これらを受けて現在、積極的接種のお勧めが再開されています。しかし過去のマスコミ報道によるマイナスイメージが強いのか、他のワクチンに比べて大半のお子さんが接種していない状況が続いています。
HPVワクチンの積極的な接種を行う諸外国では、子宮頸がん患者が激減して稀ながんになりつつあります(オーストラリアではHPVワクチンによって子宮頸がん撲滅に近い状況です!)。一方で日本では子宮頸がんで苦しむ人・亡くなる若い女性が年々増えています。
このような現状を知ってもらうこと、そして一人でも多くの女性にHPVワクチンを接種してほしいという私の思いから、今回広報を通じて情報をお届けすることとしました。子宮頸がんは予防できるがんです!
対象年齢の方の積極的な接種をお勧めします。

◇定期接種(公費助成)の対象年齢:小学校6年生~高校1年生
計2(~3)回の接種が必要で、標準的には接種完了までに6か月かかります。
(★15歳になる前に初回接種を行うと、接種回数が2回で済みます!)
(副反応は、接種部位の腫れ・痛みが他のワクチンに比べてやや強めですが、コロナワクチンのように発熱などの全身症状は少ないです)

◇キャッチアップ接種(公費による無料接種)〔過去に対象年齢だったが接種を逃した方〕
平成9年(1997年)4月2日~平成20年(2008年)4月1日生まれの女性で、接種を受けたことがない方も、現在HPVワクチン接種が無料で可能です。
このキャッチアップ接種は今年度で終了します!!
今年(2024年)9月末までに初回接種を開始すれば、年度内に3回の接種を無料で完了できます!

HPVワクチンの詳しい情報は、サイトもご参照ください。
日本プライマリ・ケア連合学会「こどもとおとなのワクチンサイト~HPVワクチン~」
ワクチン接種の効果やスケジュール、副反応に関する詳しい情報がご覧いただけます。
★子宮頸がん予防には、HPVワクチンに加えて、定期的な子宮がん検診の受診も大切です!

問合せ:中札内村立診療所
〒089-1332 中札内村西2条南3丁目23
【電話】67-2012

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