今月の担当は西巻保健師
『夏も注意!感染症の話』
皆さんこんにちは。今年の夏はとても暑いですね。暑い日には外作業を夕方や朝など涼しい時間帯にするといった工夫も必要です。水分はのどが渇く前にとることが大切です。
今回の保健師の健康宅配便は、「夏も注意!感染症の話」です。
◆夏にも感染症がはやるの?
夏に多く発生する感染症としては「夏かぜ」ともいわれる「手足口病」や「ヘルパンギーナ」「咽頭結膜炎」などが有名ですが、近年増加傾向にある「RSウイルス感染症」や「新型コロナウイルス感染症」も時期を問わず感染者が出ているので注意が必要です。
◆夏にはやる感染症の特徴
(1)手足口病
口の中や、手足などに水泡性の発疹が出る感染症です。子どもを中心に感染し、多くが数日間のうちに改善しますが、まれに重症化することもあるので、注意が必要です。
感染経路としては飛沫感染、接触感染、経口感染が知られています。
(2)ヘルパンギーナ
発熱とのどの痛みが主な症状の夏かぜの一種です。合併症として、熱性けいれん、特に乳児では脱水症などに注意が必要です。主な感染経路は便からの接触感染であり、発熱後4週間後ごろまでは、便からウイルスが排泄されるため、おむつ交換の後はしっかりと手洗いをしてください。
(3)咽頭結膜炎(プール熱)
アデノウイルスの感染により、発熱、のどの痛み、結膜炎といった症状が数日間続く、子どもに多く見られる感染症です。感染者が使ったタオルなどにウイルスを含んだ目ヤニやだ液、鼻水などが付着しているものを共用することで感染が拡大することもあり、別名「プール熱」とも言われています。主な感染経路は接触感染と飛沫感染であり、夏になるとタオルを使うことも多くなると思いますが、共用は避けましょう。
(4)RSウイルス感染症
RSウイルスによる呼吸器感染症です。生後6か月以内の乳児、基礎疾患のある小児や高齢者がかかると重症化する可能性があるので、注意しましょう。主な感染経路は飛沫感染です。
(5)新型コロナウイルス感染症
昨年5月に感染法上「5類感染症」となりましたが、最近感染者が増加しているとも言われており、また、基礎疾患を持っている方や高齢者が重症化する例もあるリスクの高い感染症です。引き続き基本的な感染対策を心掛け、自分や周囲への感染を防ぎましょう。
感染経路は飛沫感染、飛沫核感染(エアロゾル感染)接触感染です。
◆感染を防ぐには?
今回紹介したいわゆる「夏かぜ」は子どもがかかることも多い感染症です。一方で、大人が何度も感染する例も少なくありません。感染対策については基本的には新型コロナウイルス感染症と同じです。
夏は暑さもあり、体力が落ちたり、免疫力が落ちやすくなったりするともいわれています。体に不調を感じたら早めに医療機関に相談していただくようよろしくお願いします。
北海道の短い夏を皆さんが元気に過ごされますように!
▽感染対策基本のキ
(1)流水と石けんでの手洗い
(2)よく触れる物のアルコール消毒
(3)可能な範囲でのマスク着用
▽からだに不調を感じたら
医療機関に相談しましょう
感染症の初期は発熱や咳などで発症しますが、猛暑で体力や免疫力が低下すると、感染リスクも高まります。「変だな?」と思ったら、医療機関に相談してください。
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