国民健康保険(以下、国保)は、安心して医療を受けられるように保険税を出し合って助け合う制度であり、社会保険や後期高齢者医療制度に加入している方・生活保護を受けている方を除き、すべての方が加入する保険です。
◆被保険者数の平均年齢の推移
令和5年度末における伊達市の人口3万1千516人のうち、国保に加入する被保険者数は6千652人です。
人口の減少に伴い、国保の被保険者も年々減少しています(図1)。
被保険者の平均年齢を市民の平均年齢と比較すると、被保険者の年齢層が高いことが分かります(図2)。
◆1人当たりの税額と診療費の推移
市の保険税率は平成24年度から据え置いていますが、1人当たりの平均税額は加入する被保険者の所得によって毎年変わり、令和5年度は前年比1千538円の増でした。
また、1人当たりの診療費は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医療機関の受診控えなどにより、令和2年度・令和3年度は減少しましたが、令和5年度は過去5年間で1番高額になりました(図3)。
▽図1 伊達市の人口と被保険者数の推移
▽図2 市民と被保険者の各年度末平均年齢
▽図3 1人当たりの平均税額・診療費
◆令和5年度の決算状況
国保は、国や北海道からの交付金などのほか、被保険者の方からの保険税により運営されています。
平成30年度からの制度改正で、それまで各市町村が支払っていた医療費は北海道がまとめて支払うことになりました。市は、毎年度北海道から示された納付金を納めています。
令和5年度の決算では、約239万9千円を令和6年度へ繰り越すことになりましたが、被保険者数の減に伴う保険税収入の減少、交付金の減額などで、近年収支額が減っています。今後、収支が不足することも考えられ、その時には、国民健康保険事業運営基金を活用し、安定的な運営を行いますが、税負担を増やさないために皆さんのご理解とご協力をお願いします。
▽市の収支決算状況 〔単位:千円〕
※一般会計繰入金(赤字補填)はありません
◆税負担を増やさないために
▽市が取り組んでいること
国で、保健事業の推進などに力を入れている市町村には交付金を増額、そうではない市町村には交付金を減額するといった厳しい措置を行っていることもあり、市では、被保険者の方の保険税負担を減らせるよう、次の事業に取り組んでいます。
・特定健診受診などによる生活習慣病予防やがん検診の推進
・適正な保険税算定に向けた確定申告の勧奨と収納率の向上
・医療費適正化に向けた被保険者への調査(交通事故による第三者行為など)
▽国保加入者にお願いしたいこと
(1)特定健診・特定保健指導を活用してください
高血圧などの生活習慣病は、自覚症状がほとんどなく、放置すると脳梗塞や心筋梗塞などの引き金になり、その結果、皆さんの保険税で賄われる医療費が多くかかってしまいます。
特定健診は生活習慣病を予防するほか、気を付けていても避けられない病気の兆候を早めに見つける手助けにもなります。
市では、集団健診や人間ドックを行っているほか、未受診者に勧奨はがきをお送りしていますので、まだ健診を受けていない方は、ぜひ受診してください。
(2)無収入の方、年金以外の収入がある方は確定申告をしてください
保険税は前年所得に基づいて計算され、さまざまな軽減措置が適用されています。しかし、無収入の方や非課税所得である障害年金の受給者は、市民税・道民税申告が無ければ軽減措置を受けることができません。収入は変わっていないのに保険税が何倍にもなった場合は、申告漏れの可能性がありますので、担当にお問い合わせください。
また、収入があるのに申告を忘れていた場合も、適切な負担になるよう、確定申告をしてください。
(3)交通事故などで治療する場合は市にご連絡ください
交通事故などで第三者から被害を受けたとき、本来は加害者が被害者の医療費を負担することになりますが、一時的に国保で立て替えることができ、過失割合に応じて国保から加害者に対して医療費を請求します。そのため、交通事故などで医療機関を受診したときは、担当にご連絡ください。
(4)重複受診はやめましょう
1つの病気で同時に複数の医療機関を受診する「重複受診」は、医療費を増やしてしまうだけではなく、重複する検査や服薬で、かえって体に悪影響を与える恐れがあります。
現在受けている治療に不安などがある場合は、そのことを医師に伝えて話し合ってみましょう。
問合せ:保険医療課保険医療係(市役所1階(4)番窓口)
【電話】82-3197
<この記事についてアンケートにご協力ください。>