タマサイ(ガラス玉)
右の写真は、余市町大川遺跡から出土したタマサイ(ガラス玉)と呼ばれるアイヌ民族の首飾りです。
タマサイは玉を連ねたものの意味でシトキと呼ばれる飾板がつく場合もあります。また、母から娘に伝えられる女性の宝物で、儀式のときに身につけます。
これらのガラス玉は、アイヌ民族と和人との交易や労働の対価として手に入れていました。余市町指定文化財『ヨイチ御場所上下運上家関係古文書』には、幕末期のガラス玉の値段が出てきます。その中では、玉一連(50粒)が米5俵と書かれています。これは、アイヌの女性の1年分の労賃と同じであり、1年働いてようやく玉一連を手に入れることができたことになります。
アイヌの女性がこれほど苦労を重ね、手に入れようとした理由を考えてみると、アイヌ社会でガラス玉が持っていた特別な重要性が見えてきます。そして、タマサイは宝物として、アイヌ民族独自の装身具となっていきました。
(※写真は本紙をご参照ください)
※10月12日・13日は博物館&;文化財施設の町民無料デーです。今年度の町民無料デーは12月で終了しますので、まだお越しでない町民の皆さんは、ぜひこの機会に見学してみてはいかがでしょうか。
開館時間:9:00~16:30
問合せ:博物館
【電話】22-6187
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