村内各学校ではふるさと学習の一環として、占冠の豊かな自然のフィールドを活用し地域の魅力を深掘りするさまざまな教育活動が行われています。
6月から7月にかけ、清流「鵡川」を舞台に安全な川遊びや水生生物の生態について学ぶ「川の学校」が、また双珠別地区の国有林において、エゾシカの痕跡を辿りその生態について理解を深める「森林教室」が実施されました。
■森林教室
7月18日(木)、占冠中央小学校の全学年を対象に「森林教室」が実施されました。
講師を務めてくれたのは、林野庁北海道森林管理局上川南部森林管理署の職員の方々。首席森林官の大谷光一さんが中心となり、双珠別地区の国有林においてエゾシカなどの痕跡を辿りながら、その生態について解説してくれました。
授業の最後には子どもたちから講師の皆さんへのお礼と感想発表がありました。今回の痕跡巡りでエゾシカへの理解が深まったようで、どの子たちも充実した表情を浮かべていました。
エゾシカがよく通る道や植物を食べた跡、フン、寝跡、木の幹に角をこすりつけた跡などのさまざまな痕跡を見つけることができました。夏のこの時期は1日に2~5kgの植物を食べるようですが、エサの少ない冬はササや木の枝、樹皮などを食べて飢えをしのいでいるんだそうです。また落ちていた角から、そのエゾシカについてどのようなことが分かるかなども教えてもらいました。
■川の学校
6月17日(月)は占冠中央小学校の3・4年生、7月2日(火)にはトマム学校の全学年を対象に「川の学校」が実施されました。
講師を務めてくれたのは、村内アウトドア事業者「モカムカ」の橋本陽さん・睦さんご夫妻。占冠地区の占川橋付近の川(鵡川)において、子どもたちは川での安全な遊び方や水生生物の生態について教わり、自然の川で遊ぶ醍醐味を体感しました。
※トマム学校では授業名称を「自然体感占冠」として実施
対岸までを集団で渡る方法を教わった子どもたち。前の人の肩をしっかりとつかみ、バランスを崩さないよう全員が息を合わせて移動することが大切。人数が多ければ多いほど難しくなり、ある程度人数を絞った方が渡りやすいということも学べたようです。
・モカムカ代表 橋本陽さん
陽さんが大好きだというサケ・マスについて紹介してくれました。鵡川にもヤマメ(サクラマス)やニジマスが生息していますね。
流された場合も落ち着いて。無理に泳いでも余計な体力を消耗して危険です。ラッコのようにあおむけの姿勢になり、足を下流に向けて泳ぐのがポイント。岩や流木などの障害物を足で蹴って回避しましょう。
村野生鳥獣専門員の浦田さんも登場し、ヒグマのことについて教えてくれました。
川に入る前に危険箇所などについてレクチャーを。安全に楽しむためにも、事故につながりやすい危険な場所や行為について理解しておくことが重要です。
事前に陽さんが捕まえていたニジマス。子どもたちの目の前でさばき、内臓についても説明がありました。子どもたちはまだ動いている心臓を見て、魚も自分たちと同じ生き物であることを実感した様子。その後ニジマスは睦さんが調理してくださり、みんなでおいしく頂きました。
網を使ったり川底の石をめくったりして魚や水生昆虫を採集。ドジョウやカゲロウ、ヒゲナガカワトビケラなどを捕まえました。
問合せ:農林課林業振興室
【電話】56-2174
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