北海道に多いシラカバやイネの花粉症がある人は、生の果物や野菜を食べると唇が腫れたり口の中がかゆくなるアレルギー症状を起こすことがあります。
■花粉症と果物アレルギーの関係
花粉のアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)と果物のアレルゲンは構造が似ているため、花粉症の人が特定の果物を食べると身体が花粉と間違えて認識し、次のような症状を引き起こすことがあります。
○果物を食べると…
・口まわりや唇のかゆみ、腫れ
・のどや耳の奥のかゆみ
・口の中がイガイガする など
口まわりや喉に症状が現れる
○一度にたくさん食べたり花粉症の症状があるときに食べると
・皮膚の赤み、じんましん
・腹痛、吐き気
・目の充血、くしゃみ など
全身に症状が現れる
花粉の多い時期は症状が出やすく悪化しやすい
《参考:食物アレルギー診療ガイドライン2021》
■対処方法
(1)原因となる食品を控える
症状が出た場合、アレルギーの原因となる食物を控えることが対処の基本です。
○シラカバ花粉と似たアレルゲンを含む食物
モモ・リンゴ・ナシ・サクランボ
花粉のピーク:4月下旬~5月上旬
○イネ花粉と似たアレルゲンを含む食物
スイカ・メロン・オレンジ・トマト
花粉のピーク:5月~10月
(2)加熱してから食べる
原因となる果物・野菜のアレルゲンは熱に弱いため、加熱すると食べられることもあります。ただし、モモやバナナなど熱に強いアレルゲンを持つ果物は、加熱しても症状が出ることがあるため注意が必要です。
(3)医療機関を受診する
アレルギーの原因となる食物を調べたり、症状を抑える薬を使うこともできます。
また、果物のアレルギーは花粉症と関係なく起こる場合があります。気になる症状が現れた場合はアレルギー科や耳鼻咽喉科等を受診しましょう。
管理栄養士 田淵愛実
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