第1回町議会定例会が3月4日から開かれ、吉田町長が次のとおり町政執行方針を述べました。
令和6年第1回天塩町議会定例会におきまして、予算をはじめ関連する議案のご審議をいただくにあたり、町政執行に臨む私の所信を申し上げます。
新たな年度を迎えるにあたり、町政を担わせていただいてから早くも1年が経過しようとしています。皆様のご支援とご期待に応えるため、就任直後から、公約実現に向けた体制整備、関係機関との調整や国、北海道への働きかけなど、常に町民の皆様と同じ目線に立ち、着実に歩みを進めてまいりました。
町政2年目にあたりましては、もっと皆様とお顔を合わせ、未来のマチづくりについて対話をする機会を確保したいと考えております。皆様の思いやご提案に真摯に向き合い、行動し、信頼関係を築きながら共に進む、マチづくりの基本に立ち返ることで新たな視点と発想が生まれます。山積する課題に対して歩みを止めることなく、常に同じ目線と目標をもって、皆様と共にマチづくりを進めていく所存です。
スローガンを「対話・協働・調和」と銘記し、皆様の幸せと笑顔があふれるマチの実現に向けて誠心誠意努力してまいります。
主要な施策展開についてご説明申し上げます。
本年度につきましては、産業、生活、協働、行財政を政策の柱として位置づけ、本町の振興・発展に向けた取組みを推進してまいります。
I 希望あふれる産業のマチへ
(1)農林水産の振興
本町の基幹産業である農業につきましては、国及び北海道の農業基盤整備事業による草地改良と経営安定化を図るとともに、粗飼料生産における有害獣被害防止対策の強化や農業研修生の受入、安定的な農業ヘルパーの確保に向けた施策について、天塩町営農担い手協議会をはじめ、各関係機関と連携しながら支援強化を図ります。今後も、農家の一層の負担軽減に継続して取り組むとともに、経営基盤強化の推進につきましても、国や北海道へ積極的な働きかけを行います。また、本年度につきましては、農用地の効率的な利用に関する目標を定めるため、農業経営基盤強化促進計画を策定します。農家の皆様や農業委員会、関係機関の皆様と、本町の農業の将来像につきまして協議を進めてまいります。
林業につきましては、豊かな森づくり推進事業及び民有林等整備支援事業による民有林造林支援や、町有林の適切な保育管理に継続して取り組むとともに、森林環境譲与税を活用した子ども達への木育を推進してまいります。森林は、温室効果ガスの吸収源としての機能も有することから、ゼロカーボンシティの実現に向けた一層の林業振興を図ります。
漁業につきましては、パンケ沼底質改善事業を継続し、関係機関と連携した底質環境改善と「シジミ」資源の回復に全力で取り組むとともに、漁業経営の安定化や生産基盤の整備促進につきましても、継続した支援を実施してまいります。また、地域事業者や関係機関との連携を図りながら、漁業資源の付加価値化・販路拡大を促進してまいります。
(2)商工観光の振興
商工業につきましては、関係団体への継続した支援や経営基盤強化、創業・事業承継への支援を実施することで、活力ある商工業の育成と振興を図ります。また、地場産業の振興は、ふるさと納税の推進の観点からも相乗効果が期待できる取組みであり、地域事業者との連携を密にし、新たな商品の開発促進や出店・販路開拓への支援、事業間で連携したプロモーションの実施など、地域経済の好循環と活性化に努めてまいります。
観光につきましては、各種観光資源の保全や観光施設の整備に努め、観光情報発信の充実と観光促進を図るとともに、各種イベント開催に係る支援を継続し、観光協会や地域の皆様と連携しながら、魅力ある観光イベントづくりを推進してまいります。
II 笑顔あふれる住みよいマチへ
(1)医療と福祉の推進
天塩町立国民健康保険病院につきましては、4月より内科医と整形外科医による常勤2名の医療体制が確保されます。町民の皆様が生涯安心して暮らせる地域医療体制の維持・強化につきまして、今後とも全力で取り組む所存です。お年寄りや障害を持つ方への支援につきましては、国の制度に加え、自立した日常生活活動に必要な支援の充実に努めるとともに、温泉券とハイヤー券につきましても、活用促進に向けた改善の検討を進めてまいります。また、安定的な福祉サービスを提供するためには、介護人材の確保は喫緊の課題であることから、関係機関と連携した人材確保について検討を進めてまいります。
(2)子育て・教育環境の充実
子ども達への支援につきましては、子育て支援金制度や予防接種費用の助成、3歳未満児の保育料の無償化や小中学校における学校給食費の無償化、学用品の支給など、子育て世帯の経済的負担の軽減や、アプリケーションを活用した子育て支援サービスを継続してまいります。また、屋外遊具の充実による子どもの遊び場、交流の場を整備し、子育て環境の充実を図るとともに、併せて、学校施設の計画的な改修や外部講師による学習・部活動サポートなど、教育環境の一層の充実に努めてまいります。さらに、各種健診の充実やスクールカウンセラー等派遣など、子ども達の心のケアの充実を図り、子どもの笑顔を育み、心身ともに健やかな発達を支える体制を、福祉・教育・地域の連携のもとに整備してまいります。これら多くの子育て・教育独自支援に加え、結婚新生活や妊産婦支援など、ライフステージに応じた一貫した子ども応援施策を推進してまいります。また、併せて、本町の福祉・教育分野における子育て応援施策を一体的に取りまとめた「子ども・子育て応援ガイド」を作成し、子育て世帯の流入増加に向けたPRを広く実施してまいります。
昨年のまちづくり懇談会において、天塩町立啓徳小学校の今後の方向性として、児童数やそれに伴う教職員数が減少することを地域の皆様にお示しさせていただきました。これからの社会を生き抜く子ども達に必要とされる「獲得した知識や情報を活用する力」や「コミュニケーション能力」を育むためには、同学年の集団の中で話し合い、学び合いが必要であることから、身を切る思いではありますが、令和6年度をもって閉校し、天塩町立天塩小学校への統合を行います。
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