■2040年問題とは
富良野医師会
角谷(かくや) 不二雄さん
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年、その先に訪れるのが2040年問題です。2040年は団塊ジュニア世代(1971~74年生まれ)が65歳以上になり、高齢者人口がピークになるとされる年です。国立社会保障・人口問題研究所の予想では人口1億1000万人中、85歳以上の高齢者が1000万人を突破します。医療・介護のニーズが高まる一方、働き手となる現役世代が急減し、十分な医療・介護が受けられない可能性が出てきます。また、団塊ジュニア世代は未婚率が高く、また結婚しても子供のいない夫婦が多いのも特徴です。
政府は「生涯現役社会」をスローガンに掲げ、「定年延長」「就職支援」を進めています。また、2040年にむけて、健康寿命を男女ともに3年以上伸ばし、「75歳以上」とすること目指しています。さらに、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を送ることができるように、地域で「住まい」「医療」「介護」「予防」を包括的に支援していく体制である「地域包括ケアシステム」を作り上げようとしています。4月1日に発足した地域医療連携推進法人「ふらのメディカルアライアンス」を充実させることもこのシステムの確立には必須です。医療スタッフの不足に関しては、前回のコラムで述べた遠隔医療に加えて、介護ロボットの実用化なども必要になると考えられます。
政府は、介護サービスなどの主体を国から自治体へ移行しており、「自助・共助」など、人と地域で支えあうことがますます大事になっていきます。住民による高齢者の見守りや安否確認をはじめ、介護予防プログラムへの参加などボランティアとして関われる面がたくさんあります。みんなの協力で何歳になっても住みやすい富良野であればと思います。
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