市は、障がいのある方と北海道教育大学岩見沢校の教授や学生が、一緒に芸術の鑑賞や創作などを学ぶ〝いわみざわアートアカデミー〟を令和3年度から開催しています。
毎年幅広い年齢の方、身体・知的・精神などさまざまな障がいのある方が、ペンやパステル、アクリル絵の具など、いろいろな画材に触れる創作体験がメインの講座に参加しています。
■カリキュラム
◦10月 創作体験、創作学習、芸術鑑賞学習
◦11月28日(木)~12月4日(水) 受講生作品展覧会(約150作品)
場所:森の岩ギャラリー(緑が丘1北海道教育大学岩見沢校構内)
アートマネジメント美術研究室の学生が、芸術やイベントの企画運営に関する知識を生かし、講座の企画や当日の講師、展覧会の運営を行っています。
学生は、障がいのある方への理解を深めるため、障がい福祉事業所で働く支援員から障がいのある方との接し方、手話通訳者から手話を学ぶなど、受講生に芸術を楽しんでもらうためにさまざまな準備をしています。
これまでに得た知識や経験は、研究室の先輩から後輩に引き継がれ、その積み重ねにより、障がいのある・なしにかかわらず、誰でも自由に楽しめるものに、年々進化しています。
■芸術を楽しむ場をつくる
〝受講生が自由に芸術に触れる場をつくる〟ことを目標に、講座ごとにテーマを設定し、受講生に毎回新しい発見があるように工夫しています。昨年度は、サインペンやパステル、絵の具など多様な画材の紹介と技法に関する講義や創作活動に加え、プラスチック板を使ったキーホルダーの制作を行いました。
また、受講生に分かりやすいよう、説明には写真やイラストを活用した資料を用意しました。
ペインティングナイフなどの専門道具の使い方やプラスチック板での制作は、各テーブルに学生がついて実演するなど、受講生に寄り添いながら、共に作品制作を楽しんでいます。
耳が聞こえにくい方に対応するため手話通訳者を配置したほか、学生も事前に勉強した手話で自己紹介しました
■新しい体験を
昨年度、はじめての試みとして、北海道教育大学岩見沢校を会場に講座と校内ツアーを企画しました。
受講生が制作した作品を鑑賞し、どのような考えや思いで創作したのかや他の受講生の作品に対する感想などを発表し合ったほか、構内にある森の岩ギャラリーで、教授や学生の解説を聞きながら作品を鑑賞しました。
また、学生の案内で大学校舎を巡り、普段はあまり目にすることがない、音楽・美術・スポーツに特化した独自の設備や講義室、校内のさまざまな場所で学生が活動する様子を興味深く見学していました。
さらに会場に来ることが難しい方へ学びの機会を届けるため、岩見沢高等養護学校で出前講座を実施しました。
大学生から教わるという、普段の授業と異なる体験は良い刺激となったようで、大胆な発想や個性的な色使いの作品が多く生まれました。
受講生から「今度は教える側にチャレンジしてみたい」という声が出てきたり、持ち帰った体験を友人などに伝えるといった学びの循環が見られるようになったり、いわみざわアートアカデミーの取り組みは新たな広がりを見せています。
また、講師として参加した学生も福祉への関心が高まり、就職先として障がい福祉事業所を選択する人も出てきました。
この取り組みによる芸術を通じたつながりが、障がいへの理解促進と障がいのある方の学びの場づくりにつながっています。
これまでの活動の詳細は、市ホームページやYouTubeに掲載しています
・市ホームページ
ID:8078
・YouTube
〔二次元コードは本紙をご覧ください〕
いわみざわアートアカデミーに関する問合せ:福祉課障がい者福祉係
【電話】35-4112
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