岩見沢の自然や歴史に関する資料を数多く収蔵している郷土科学館。「知っているけど行ったことがない」という方も多いのではないでしょうか。今月号は、展示を一部リニューアルし、より魅力的になった郷土科学館を紹介します。
○76.1MHz
FMHAMANASU JAPAN
市職員が出演して説明します
11月8日(金)午後5時40分
■神田学芸員がご案内!
岩見沢の歴史にもっと親しんでもらえるよう、1階の展示スペースをリニューアルしました!今回はその一部を中心に紹介していきます!
▼開墾の風景
旧北村農業資料館に展示されていた〝北村の移住と開拓〟の一部で、大正期の生活と農作業をイメージして作られています。
開墾当初は人力で木を切り倒し、笹などの草を刈り、切り株を残したまま土を耕して畑を作っていましたが、明治30年代後半になると馬が広く利用されるようになり、開墾に大きく貢献しました。馬は、山で切り出した木材や農地を改良するための土、雪などの運搬もこなし、自動車が普及するまで産業・生活の多くの場面で活躍しました。
・ドドーンと大迫力!よく見るとかわいい顔をしていると思いませんか?
▼農業の歩み
展示されている荷車は、栗沢町で大正から昭和30年代まで使われたものです。上に乗った俵は再現品ですが、箕(み)や筵(むしろ)は実際に農作業で使われていました。
岩見沢では明治19年ごろから稲の試作が始まり、稲の品種改良や栽培方法の改良、かんがい設備の整備によって米作りが広がりました。戦後は泥炭地で大規模な排水・客土が行われたほか、機械化に対応した圃ほ場整備が進み、現在の田園風景が形作られていきました。
また、岩見沢では果樹・野菜栽培も行われ、大根を夕張方面へ売り出したほか、大正末期にはナスやキュウリ、トマトなどを馬車に載せて深夜に江別へ出発し、朝市で販売したという記録が残っています。
・稲を育てることで米が採れるだけでなく、俵や靴、縄の材料となる稲わらを手に入れることができました
▼鉄道の延伸
明治15年、石炭輸送の手段として幌内(三笠)と手宮(小樽)を結ぶ鉄道が開通しました。明治24年には岩見沢から砂川・歌志内まで鉄道が伸び、明治25年には岩見沢と輪西(室蘭)を結ぶ室蘭線が、大正3年には万字線が開通し、岩見沢は空知各地から小樽や室蘭へ石炭を輸送する中継地として発展していきました。
▼鉄道のまち
駅業務や貨車入れ替え、機関車の運転、設備点検や車両整備など、とても多くの人が鉄道関係の仕事に従事し、昭和35年ごろの岩見沢では500人を超える駅職員が勤務していました。
・いずれも鉄道に関わる仕事をしていた方から寄贈していただいたものです
▼石炭
岩見沢近郊産の石炭です。岩見沢では大正3年の万字線開通以降、石炭の採掘が本格化しました。市内で産出する石炭は鉄道で小樽・室蘭方面へ運び出され、家庭用暖房のほか、火力発電所やボイラーの燃料として重宝されました。
▼炭鉱の道具
炭鉱の仕事は、坑内だけでも石炭を採掘する係、坑道を掘り進める係などに細分されていたことに加え、坑外の設備や病院、福利厚生施設などさまざまな施設があり、そこでは多くの人が働いていました。そのため、炭鉱周辺には職員・鉱員とその家族が生活する住宅街が広がり、炭鉱地域の学校には多くのこどもたちが通っていました。
・記録板とコールピックは朝日炭鉱、工数簿は東幌内炭鉱のもので、工数簿の中身は出勤簿です
▼昔の遊びコーナー
・昔の遊びコーナーを無料スペースに移動しました!懐かしい遊びを気軽に楽しんでください
■ここからはリニューアル部分以外を紹介します
▼昔の暮らし
農業・鉱業・鉄道をはじめ、岩見沢の自然と歴史を知る上で貴重な資料を多数展示しています。
▼科学体験コーナー
空気ロケット競争やセンサージャングルなど、遊びながら科学を体験できるコーナーです。
▼プラネタリウム
光学式プラネタリウムとデジタルプラネタリウムを併用し、四季折々の星と星座やギリシャ神話のアニメーションを上映しています。
12月8日(日)までは〝秋の星座めぐりとペルセウス座物語〟を上映しており、秋の四辺形のペガスス座、アンドロメダ座、ペルセウス座など、ギリシャ神話に登場する多くの星座を楽しむことができます。
今回紹介したもの以外にも体験教室や市指定文化財の展示など、こどもから大人まで楽しめる魅力的なコンテンツが盛りだくさんです。ぜひ遊びに来てくださいね。私が館内にいるときは解説もできますので、気軽に声を掛けてください!
■郷土科学館あれこれ
開館時間:午前9時30分~午後5時(火曜日は午後1時30分から)
休館日:
◦祝日の翌日を除く毎週月曜日
◦12月29日から1月3日
入館料
プラネタリウム観覧料
○マスコットキャラクター
・こんた
岩見沢の森に住むキタキツネの男の子。趣味はまち探検。好きな食べ物はななつぼしのおにぎり
・くまじい
物知りなくまのおじいさん。趣味は天体観測。好きな食べ物は岩見沢の菜の花から採れたはちみつと、キタノカオリを使ったあんぱん。肩に乗っているのはいたずら好きの鳩〝ぽっぽ〟
○〝文化の日〟郷土科学館無料開放
11月3日(祝)は入館料・プラネタリウム観覧料が無料!クイズラリーなどのイベントも開催します!詳しくは、広報いわみざわ10月号をご覧ください
問合せ:郷土科学館(いわみざわ公園内)
【電話】23-7170
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