近年、気候変動による洪水のリスクが高くなってきており、全国的に河川流域の治水への取り組みが検討されています。その取り組みの一つとして、岩見沢市広域協定が進めている〝田んぼダム〟を紹介します。
■岩見沢市広域協定
市内の農業生産者や市内外の企業・団体が参加し、農地や農業用施設の地域資源の保全管理を行う組織。農業や農村が持つさまざまな機能を維持し、効果的に発揮できるようにするため、地域共同で活動しています。
■田んぼダムって?
田んぼダムは、田んぼに雨水を一時的にためておき、ゆっくりと流すことで水路や河川の急激な水位上昇を抑え、洪水の被害を軽減する取り組みです。
小さな穴が開いていたり、V字にカットされていたりする調整板を田んぼの排水口に取り付けるだけなので、稲作をしながら取り組むことができ、大掛かりな工事をしなくても、すぐに効果を発揮できます。
■田んぼダムは生産者の思いやりから
農村地域では、大雨の際に排水ポンプで雨水を河川に汲み上げ浸水を防止していますが、激しい雨が降ると農地が冠水したり、住宅地が浸水したりする被害がありました。そこで平成19年ころから、一部地域の農業生産者が協力体制を整え、田んぼに雨水をためる取り組みを始めました。排水ポンプなどに頼り切らず、周辺の農地や市民の皆さんを守ろうとした思いやりから田んぼダムが始まりました。
■市内の取り組み
岩見沢市広域協定が市内各所で田んぼダムの普及活動を行っており、現在は約700ヘクタールの田んぼで取り組まれています。
市は交付金や農地整備などを通じ田んぼダムの普及・促進をサポートするほか、岩見沢市広域協定と連携し田んぼダムを多くの方に知ってもらうためのイベントなどを行っていく予定です。
田んぼダムは、農業生産者が皆さんを思いやる気持ちから生まれました。この機会に田んぼダムに取り組む地域の農業を知って、みんなが安心して暮らせる安全な地域としていくためにできることを一緒に考えてみませんか
問合先:農業基盤整備課
【電話】35-4487
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