■アイヌ語に由来する地名(1)古舞(ふるまい)
1月27日に古舞小学校で閉校式が挙行され、118年の長い歴史に幕を閉じることになりました。古舞小学校は、明治38(1905)年9月に古舞簡易教育所として開設されて以来、地域の教育や文化の拠点として大きな役割を果たし、これまで1100人を超える卒業生を送り出してきました。
古舞簡易教育所以来、学校の名前には古舞という地名が入っています。一見、日本語のように見えますが、実はアイヌ語に由来します。古舞地区の中央には古舞川が流れていますが、この川はかつて「フルコーマップ川」や「フルコマップ川」と呼ばれていました。古舞はこの「フルコ(ー)マップ」に漢字を当てたものです。字名として古舞が採用されたのは、昭和19(1944)年に字名が改称されたときで、それまでは途別地区の上(かみ)にあることから、栄(さかえ)地区とともに上途別(かみとべつ)という字名で呼ばれていました。
「フルコ(ー)マップ」は、アイヌ語でフル(丘)カ(の上)オマ(にある)プ(もの)で、台地の上を流れる古舞川を指していると考えられます。フル(丘)コマ(曲がる)プ(もの)と説明されていることもありますが、「(道などが)曲がる」はアイヌ語でレウケと言い、コマとは言いません(似た語形のコモは「折り曲げる」という意味です)
※「フル(丘)」の「ル」、「プ(もの)」の「プ」は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。
文・写真:阪口諒(さかぐちりょう)
問合せ:生涯学習課 学芸員
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