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言葉を通して知るアイヌ文化13

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北海道幕別町

アイヌ語に由来する地名(3)チョマナイ

忠類の市街地から北東の方に丸山(チョマナイ山)があります。忠類の街並みや日高山脈を一望できる丸山の山頂は展望台となっていますが、ここには明治27(1894)年から丸山神社が置かれていました(現在、丸山神社は元忠類にあります)。
丸山はもともとアイヌ語でチホマイワと言われており、安政5(1858)年に松浦武四郎が当縁川流域を訪れた時には、「チヨマイワ」の名前を記しています。明治29(1896)年製版の陸地測量部(国土地理院の前身)の5万分の1地形図でも「チホーマイワ」と書かれています(チホマのホにアクセントがあるので、「ホー」と書かれているのだと思われます)。
チホマは《恐ろしい》という意味です。イワは《山》ですが、霊力の感じられる山を指した言葉のようです。丸山はチョマナイ山と呼ばれることもありますが、チョマナイ(チホマナイ)のナイは《川》の意味で、チホマイワ(丸山)の南を流れていた川の名前でした。
明治27(1894)年に丸山南麓に入植した岡田新三郎が書いた「丸山神社創立縁起」には、丸山に登ったアイヌが戻ってこない、夜に大爆音を聞いたものがいる、怪物を目撃したものがいるといった奇談があるので、アイヌ民も和人も恐怖の念を抱いていたとあります。岡田新三郎はそのままにしておくと開拓に支障が出ることを心配し、丸山の頂上に神社を創建したのだといいます。

文・写真:阪口諒(さかぐちりょう)

問合せ:生涯学習課学芸員
【電話】(幕)54-2006

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