1934(昭和9)年12月4日に「阿寒国立公園」として指定された、道内で最も歴史のある国立公園の一つ。千島火山帯の活動によってできた阿寒、屈斜路、摩周の三つのカルデラ地形が基盤となっており、火山と森、湖が美しい景観が魅力です。また、2017(平成29)年8月8日には「阿寒摩周国立公園」へ名称が変更されました。「摩周」が加わり当町の摩周湖や屈斜路湖などが国立公園内に存在することがあらためて認識されました。
■9月27日(金) 記念式典
本町、釧路市を含め11市町で構成する阿寒摩周国立公園広域観光協議会(德永哲雄会長)が主催する記念式典が摩周観光文化センターで開催され、構成市町の首長や地元国会議員、環境省関係者など約300人が出席し、国立公園指定から90年の節目を祝いました。
基調講演では、観光カリスマの山田桂一朗氏が「これからの国立公園に担うべき役割」、クスリ凹凸旅行舎代表の塩博文氏は「温故知新阿寒摩周国立公園の歴史と次の百周年に向けて」をテーマにそれぞれ講演。また、塩氏の講演中には、阿寒横断道路を整備した永山在兼氏の出身地である鹿児島県日置市の永山由高市長も紹介され、「永山在兼氏の縁で始まった姉妹都市の友好を今後も永く継続したい。」と話していました。
■9月27日(金) 永山峠標柱除幕式
永山在兼氏は1918(大正7)年に釧路土木派出所長に着任。国立公園制度開始への機運が高まっていた27(昭和2)年に阿寒湖と屈斜路湖、摩周湖を道路で結ぶプランを示し、30(昭和5)年に阿寒横断道路(国道241号)を整備しました。この道路が国立公園調査委員に高く評価され、今まで続いている阿寒国立公園指定につながりました。その功績をたたえて「永山峠」と呼ばれ、木製の標柱が建てられていました。長い年月で消失した標柱の復元に、釧路湿原・阿寒・摩周シーニックバイウェイ(桐木茂雄ルート代表)が取り組み、新たな標柱と案内板が完成しました。
この日は、釧路市蝦名大也市長、弟子屈町德永哲雄町長、鹿児島県日置市永山由高市長、関係者など約40人が出席し、除幕式が行われました。
■10月5日(土) 北海道東トレイル開通式典
知床国立公園、阿寒摩周国立公園、釧路湿原国立公園、3つの国立公園を繋ぐ全長約410kmの「北海道東トレイル」の開通式典とシンポジウムが摩周観光文化センターで開催されました。沿線自治体の首長や地元観光関係者など約130人が出席し、開通を祝いました。同トレイルは、日本最大の「湿原」、釧路川流域の「酪農地帯」、火山活動による「カルデラ」広大な「畑作地帯」、流氷がもたらす「海」の5つの異なる道東の景観を楽しめるルートで構成され、ひがし北海道の広大な自然を体感することができます。
シンポジウムでは、ロングトレイルについての講演やパネルディスカッションが行われ、利用者の安全性の確保や運営管理など今後の課題について意見が交わされました。
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