パニック障害は100人に1人くらいの割合で発症するとされており、誰もが発症するおそれがある病気です。今回は、パニック障害の症状、原因、診断、治療方法をお伝えします。
■症状
1 パニック発作
予期せぬ発作で、突然激しい動悸、息苦しさ、胸の苦しさ、冷汗、手足のしびれ、このままでは死んでしまうのではないかなどという、強い不安感、恐怖感に襲われます。
2 予期不安
パニック発作がまた、起きるのではないかという不安感です。
3 広場恐怖
美容室や歯科受診、一人での外出や人ごみの中、発作の起きた場所に対して恐怖感を持ち、そのような場所や状況を避けるようになります。
■原因
完全に解明されていませんが、遺伝的な要素や神経伝達物質のバランスの乱れ、ストレス、身体的な疾患などが関係しているとされています。
■チェックリスト
このチェックリストは、パニック障害と診断するものでありませんが、当てはまる項目がある場合は、医療機関に相談してみましょう。
1動悸や息苦しさを感じる
2急な発汗が増えた
3手足の震えや寒気がある
4息切れが増えた
5窒息する感じがある
6胸部に不快感がある
7腹部に不快感がある
8めまいやふらつきを感じる
9自分が別の場所にいるような感覚がある
10自分をコントロールできなくなるのではないかという恐怖感がある
11死に強い恐怖がある
12感覚がおかしい
13ほてりやのぼせがある
■診断
医師から動悸や息苦しさを感じるなど発作が1カ月のうちに数回起きているかなどの問診を受けます。また、身体的検査で異常がなく、問診項目に当てはまっている場合、パニック障害と診断されます。
■治療
1 薬物療法
抗うつ薬や抗不安薬など発作を抑える薬が処方されます。
2 精神療法
認知行動療法によって、パニック障害を正しく理解し、パニック障害を引き起こす考え方や行動を変化させていきます。
パニック障害は、適切な治療をすることで克服することができます。何もしなくても治る病気ではないため、精神科や心療内科など専門機関での治療が必要になります。
もし、家族や周りの人がパニック障害に悩んでいる時は、安心感を持てる言葉掛けが重要です。そばに寄り添い、不安を和らげるように心掛けましょう。
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