▼テーマ
絵本のすすめ
▼今月の担当
村子育て支援センター専門員
鈴木 寿美
小学校の読み聞かせのために自宅で練習していた時です。成人を過ぎた娘が、練習をしている絵本を見て「懐かしい!」と言ってきました。その絵本は、毎月保育所からもらってきた絵本で、私の中に何となく心に残っていた絵本でした。
「この絵本好きだった!特にこの『泥団子』は当時、光輝いて見えていた」と、娘はその描かれているページを指さしました。それは、おままごとをしている障がいのある主人公が『泥団子』を手にしているのですが、その泥団子は主人公の手の中に小さく描かれていました。
そんな小さな絵に、当時3歳ぐらいだった娘が釘付けになったことを、20年たった今でもよく憶えていることや、大人が見過ごしてしまいがちな絵を、子どもはよく見ていたこと、そして何より、お互いの感じ方は違いますが、心に残った絵本が娘も同じだったことがとてもうれしく思いました。それと同時に、なぜ、この絵本を小さかった娘と一緒に見ていなかったのだろうと、ちょっと後悔しました。
絵本は、子どもが最初に触れる本です。絵本を通して、絵や言葉に興味を持ち、想像力や心を豊かにします。また、親が読んだり聞かせたりすることによって、親子の絆がより深まることにも一役買うことでしょう。そして、その時間は大きくなった子どもの心のどこかにきっと残っているはずで、子どもにとっては、心が満ちた幸せな時間だったはずです。幸いにも、村では新生児に絵本のプレゼントがあります。子育て世代の方は、ぜひ生まれたばかりの赤ちゃんはもちろん、大きくなっても、絵本をみせたり読み聞かせをしたりしながら、親子の共有の時間を楽しんでください。
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