■はじめに
令和6年第1回町議会定例会の開会にあたり、令和6年度の教育行政の執行に関する主要な方針と施策を申し上げます。
元日に発生した能登半島地震の被災地では今なお困難な状況が続いていますが、被災地からの報道にはこれからの教育に学ぶものがあります。
発災直後の厳しい状況下で大学受験に臨む生徒、高校受験の準備や教育活動を止めないよう地元を離れて集団で避難施設へ向かう生徒、一方、親元に残り家族と共に頑張る生徒の姿。また、学校が避難所となっている所では、子どもたちが率先して救援物資の配付を手伝うなど避難所の運営に積極的に携わる姿が報道されています。
こうした子どもたちの行動は、震災という辛く悲しい出来事ではありますが、今日の教育に求められている「生きる力」を育んでいるのも事実であり、そこには学ぶべきものが多くあります。
また、いかなる状況にあっても、子どもたちの教育を第一に考え、学びを止めることなく教育環境の確保と提供をされている関係者の皆さんに心から敬意を表します。
世界は国家間の苛烈な戦争や国内の紛争が今なお続き、国際情勢の変化とそれに伴うエネルギーや諸物価の高騰など、社会・経済状況はますます混迷を極めています。
このような変化の激しい時代にあって、子どもたちが、こうした社会を自立的に生き、社会の形成に参画するための資質・能力を一層確実に育成する教育が求められています。
本町の大きな教育課題である義務教育学校の整備は、まもなく基本設計業務を完了し、令和6年度は実施設計業務へと進み、いよいよ建設に向かいます。義務教育9年間を見通した小中一貫教育により、これからの時代にふさわしい質の高い教育の提供と子どもたちがワクワクして学び、未来への希望を持てるような教育環境の整備を図ってまいります。
また、町民の皆さんが芸術や文化、スポーツやレクリエーション活動などを通して活力ある地域社会を築き、豊かな心を育む生涯学習を推進するため、学習環境の充実や質の高い活動への期待は大きいものがあります。
こうした認識の下、令和6年度も「未来を創造する月形の教育」を目標に、学校教育においては、知・徳・体の調和のとれた「生きる力」を育む教育計画を編成・実施し、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な教育活動を推進するとともに、社会教育では、誰もが生涯にわたって、健康で豊かな社会生活を送るための環境や体力づくりを支援し、教育行政を推進してまいります。
以下、令和6年度の主要な施策について申し上げます。
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