■事例で特性を知ろう
相手の特性に応じた適切な対応をすることで、発達障がいのある方が本来持つ力を引き出すこともあります。
ここでは、4つの事例から適切な対応を考えます。
◆特性(1)
・言葉だけの指示、曖昧な指示が理解しづらいことも
Aさんは、先輩の「適当に」という曖昧な表現に戸惑いました。具体的にどのくらいの量を塗るのか理解できず、必要以上にクリームを塗ってしまいました。
▽適切な対応
・具体的に、目で見て分かるように伝える
曖昧な表現は避け、具体的に伝えましょう。特に、広汎性発達障害の特性のある方の多くは視覚的な情報の方が理解しやすいともいわれます。この場合は、見本を使って説明するのが適切な対応です。
◆特性(2)
・状況を読み取るのが苦手なことも
Bさんは「この職場では半ズボンははかない」という暗黙のルールや、上司の「いいね」という皮肉を理解することができませんでした。
▽適切な対応
・ルールははっきりと伝える
遠回しに言うのではなく、してはいけない事やその場に合わない事、ルールは具体的に伝えることが大切。この場合は、「職場では長いズボンをはいてください」などと伝えるのが適切な対応です。
◆特性(3)
・予想外のことに驚き、かんしゃくを起こすことも
公園へ行く時にいつも通る道が、ある日突然通行止めになっていました。驚いたCさんは、公園に行けなくなったと思い込み、かんしゃくを起こしてしまいました。
▽適切な対応
・むやみに叱らず、少しの時間待ってみる
むやみに叱るよりも少しの時間待つことで、早く気持ちが落ち着く場合があります。周囲の人も、「なぜ保護者は叱らないんだ」と思わずに温かく見守ることで、保護者の気持ちも楽になります。
◆特性(4)
・忘れ物が多いことも
忘れ物をしがちなDさん。先生のアドバイス通りにメモを取り、前日のうちにお父さんと準備することで絵の具を忘れずに持ってくることができました。先生はその成果を具体的に褒めています。
▽適切な対応
・メモ帳を活用するなどの工夫を。しっかり褒めることも大切
メモを取ってかばんの目立つ場所に付けるなど、本人に合った工夫を促すことが大切です。また、成果が出た時には、時間を置かずに具体的に褒めることが本人の自信につながります。
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※記事の一部(漫画)を省略しています。詳しくは本紙をご覧ください。
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