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新春対談 「札幌市長 秋元克広」×「宇宙飛行士/札幌市青少年科学館名誉館長 山崎直子さん」

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北海道札幌市

■夢から広がる未来
私たちの未来には、さまざまな可能性があります。今回の特集では、宇宙飛行士で札幌市青少年科学館の名誉館長でもある山崎直子さんと秋元市長に、夢を持つ大切さや、4月にリニューアルオープンする青少年科学館への期待などを語り合っていただきました。
実施日:2023年11月30日
会場:土屋グループ銀座ショールーム

山崎直子(やまざきなおこ)
千葉県出身。1999年に現在の宇宙航空研究開発機〔JAXA(ジャクサ)〕の宇宙飛行士候補者に選ばれ、2001年に宇宙飛行士に認定。2010年にスペースシャトル・ディスカバリー号に搭乗し、国際宇宙ステーションの組立補給ミッションに従事。現在、一般社団法人Space Port Japan(スペース ポート ジャパン)代表理事、札幌市青少年科学館の名誉館長などを務める。

●夢をかなえるまでの道のり
▽子どもの頃の夢
山崎:私は幼稚園から小学2年生の夏まで札幌に住んでいたのですが、当時参加した「星を見る会」で、初めてのぞいた天体望遠鏡で見えた、月のクレーターと土星の輪にとても感動したことを今でも覚えています。同じ頃に、宇宙に関するアニメなどがはやっていたこともあり、「いつかは自分も宇宙に行けるのかな」と何となく宇宙に興味を持ち始めました。でも、子どもの頃は学校の先生やお花屋さんなど、将来の夢はいろいろありましたね。

市長:私も子どもの頃は、兄の影響で野球を始めてからスポーツ選手に憧れたり、親戚に医者がいたので医者になりたいと思ったりと、いろいろな夢がありました。振り返ると、周りの人や環境から影響を受けることが多かったですね。

山崎:本当にそうだと思います。私にとっての「星を見る会」のように、子どもの夢や興味を後押しする場がたくさんあるとすてきだなと感じますね。

▽夢をつないだ大きな支え
市長:宇宙への憧れから始まった宇宙飛行士になるという夢の実現までには、どんな苦労がありましたか。

山崎:宇宙飛行士は毎年募集されるわけではないので、挑戦するのに時間がかかることもあります。晴れて宇宙飛行士の候補者になってからも、いつ宇宙に行けるのか全く分からない中で日々訓練を続ける必要があり、ゴールの見えないマラソンをしているような感覚でした。私は試験に合格してから宇宙へ行くまでに11年かかり、くじけそうになることもありましたが、子どもの頃からの宇宙が好きだという純粋な思いや、家族や仲間など、一人ではなくてみんなと一緒に頑張っているという気持ちが大きな支えになっていたと今でも思います。

市長:夢の実現に向かって頑張ることはもちろん素晴らしいですし、その上で、憧れや夢を応援できる周囲の環境づくりというのもやはり大事なことなのだなと感じました。

●宇宙と地球のつながり
▽宇宙から見た地球
市長:2010年にスペースシャトルに搭乗され、宇宙から地球を見てどう感じましたか。

山崎:宇宙から見た地球は本当に美しかったです。昼の地球は青い海や白い雲などの壮大な自然が広がっていて、夜の地球は街の明かりが輝いて見え、地球の力強さを感じました。一方で、地球の表面を覆う青い空気の層を見て、とても薄いと感じたんです。私たちの暮らす地球はこんなに薄い層で守られているのかと驚き、地球って儚(はかな)い一面もあるのだなと思いました。

市長:宇宙に浮かぶ地球を俯瞰(ふかん)してみて、地球の貴重さに改めて気付いたんですね。

山崎:宇宙に行く前は、宇宙が特別で憧れの場所だと思っていましたが、宇宙に行って、地球こそが特別な場所だと実感し、地球に代わる星はないのできちんと守っていかなければならないと思いました。

市長:札幌は雪が多くて、自然との関わりを特に身近に感じられる街だと思うので、率先して気候変動の問題などに取り組むことで、市民の皆さんと一緒に地球を守っていきたいです。

▽宇宙開発がもたらすもの
山崎:宇宙開発と聞くと、最先端で日々の生活にはなじみがないと思うかもしれませんが、地球での暮らしにつながるものもあります。例えば、位置情報が分かるGPSや天気予報は人工衛星の情報を基にしていますね。また、宇宙で使える歯磨き粉や洗剤なども開発されていて、地球で災害が起きて水があまり使えないときにも活用できますし、環境にも優しいと期待されています。

市長:宇宙開発の技術は、地球の限りある資源を守って持続可能な社会にすることにつながるのですね。さまざまな分野で人員の確保が難しくなってきている中で、例えば除雪車などの自動運転に向けた開発も今後進んでいくと効果的ですし、そのときにもGPSといった技術が生きてきますね。宇宙開発の技術は、私たちの生活のいろいろな部分に関わっているということを多くの人に知ってもらえたら良いなと思いました。

●青少年科学館がリニューアルオープン
▽生まれ変わる科学館
市長:2022年8月から休館していた青少年科学館がいよいよ4月にリニューアルオープンします。山崎さんには引き続き名誉館長をお務めいただき、ありがとうございます。

山崎:私自身、子どもの頃に科学館という場所が大好きでしたし、お子さんをはじめとする市民の皆さんが、科学に興味を持つきっかけになる場があるというのは素晴らしいと思います。札幌という地域に根差した展示もされると聞きました。

市長:雪や氷など、市民に身近なものをテーマにした展示もできますね。先日、札幌の姉妹都市であるドイツのミュンヘンに行ったのですが、ミュンヘンは札幌よりも北にあるのに、札幌ほどは雪が降らないそうなんです。ではなぜ札幌はたくさん雪が降るのかということを、現地で説明する機会がありました。札幌は北にあって、寒いから雪が降ると当たり前のように考えてしまいがちですが、科学館を通してこうした自然や科学の不思議を、見て、触れて、考えてみてもらいたいですね。

山崎:札幌ならではの展示も多いということで、お子さんだけではなく大人も興味を持ちやすく、楽しい展示になると思います。リニューアルされる科学館に足を運んで、それぞれの興味の幅を広げていただきたいですし、ぜひ宇宙にも興味を持って、自分も宇宙に携わってみたいと思ってくれるとうれしいです。

市長:科学館での体験を通して、楽しみながら夢を見つけたり、興味を深めたりして、未来の可能性を広げてほしいですね。

■山崎さんが執筆された本を10人にプレゼント!
山崎さんの直筆サイン入り!『宇宙飛行士は見た宇宙に行ったらこうだった!』
応募方法:はがき、ファクス、Eメール、ホームページ。「サイン入り本希望」と記入の上、住所、氏名、年齢、電話番号、本誌の感想を記入し、1/22(月)(必着)までに広報課(本紙1ページ)へ。抽選

■青少年科学館は4/1(月)リニューアルオープン!

詳細:広報課
【電話】211-2036

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