インターネットでの誹謗(ひぼう)中傷や、ハラスメントなど、他の人を傷つけるさまざまな人権侵害が問題になっています。
このページでは、お互いが傷つかないために大切なことや、悩みがある時の相談先を紹介します。
■どんな人権侵害が起こっている?
昨年、札幌法務局に寄せられた人権相談は5,056件でした。
実際に起こっている、人権侵害の例を紹介します
●SNSなどのインターネットでの誹謗中傷
匿名性や情報発信のしやすさから、個人への誹謗中傷や個人情報の拡散などが問題になっています。
・発言が気に入らないからSNSで攻撃しよう
・悪いうわさを広めれば社会のためになるはず
・誰が言ったかばれないし、ひどい事を言ってやろう
●ハラスメント
職場や家庭などで、相手に不快な思いをさせる「ハラスメント」が問題になっています。下記の他にも、家庭内などで相手を精神的に追い詰める「モラルハラスメント」といった、さまざまなハラスメントがあります。
▽パワーハラスメント
職場での上司と部下のような優越的な関係性がある中で、身体的・精神的な攻撃や、過度・過小な業務を与えること など
例:
・相手を蹴る、物を投げつける
・同僚の前で、大声で威圧的な叱責(しっせき)をする
・気に入らない相手に仕事を与えない
▽セクシュアルハラスメント
相手の意向に反した性的な言動によって不快にさせたり、性的な言動を拒否した相手に解雇や配置転換などの不利益を与えたりすること など
例:
・性的な事実関係を尋ねる
・食事やデートへしつこく誘う
・必要なく体に触る
▽マタニティーハラスメント
妊娠・出産した人や育児休業を申し出・取得した人に、嫌がらせをしたり、制度を利用しにくくさせたりすること など
例
・「妊娠するなら忙しい時を避けてほしかった」と言う
・「育休を取るなら会社を辞めてもらう」と言う
▽カスタマーハラスメント
客や利用者が、従業員に対して過剰な要求をしたり、主張内容が正当でも身体的・精神的な攻撃を相手に与えたりすること など
例:
・相手を長時間拘束する、長時間電話する
・大声や暴言でしつこく相手を責める
・正当な理由なしに金銭を要求する
参考:厚生労働省ホームページ「職場におけるハラスメントの防止のために」
■人権擁護委員の方にお話を聞きました
※人権擁護委員
市長が推薦し、法務大臣から委嘱されたボランティア。人権相談を受けるほか、学校での人権に関する啓発、法務局と協力して人権侵害を受けた方の救済などをしている。
●札幌人権擁護委員協議会 会長
弁護士 八代眞由美(やしろまゆみ)さん
▽いつの間にか加害者になっているかも
さまざまな人権問題があるため一概には言い切れませんが、正義感から発した言葉や行動が人権侵害になっていたり、ささいな意見の食い違いがきっかけになってハラスメントにつながったりすることもあります。特に、匿名性が高いSNSの情報は全てが真実であるとは限らないため、情報をうのみにしないことが大切ですよ。
▽自分に置き換えてみる
今しようとしている投稿や発言が自分に向けられたら、どう感じるかを考えてみたことはあるでしょうか。お互いを大切にして尊重し合う社会にするためには、相手と自分の立場を置き換えて言葉や行動を選ぶことが大切だと思います。また、自分が傷ついても、相手との関係性などを心配して言いにくい場合は、専門機関に相談してほしいです。
■自分が傷ついた時は
SNSでは、「ブロック」や「ミュート」などの機能を使って見たくない投稿を見ないようにしたり、一度離れたりしてみましょう。ハラスメントを受けた場合は、「やめてください」と意思をはっきり伝えたり、周囲や会社の窓口などに相談したりすることが大切です。
▽SNSでは悪質な投稿の削除を依頼できます
悪質な投稿は、「報告」や「問い合わせ」などから、SNSの運営者に削除を依頼することが可能。解決しない場合は、発信者を特定して損害賠償請求などをすることもできます。法務局などに対応方法の相談もできます。
■1人で悩まずに相談を
相談は無料で、相談内容は厳守されます。悩んだ時はご相談ください
▽市役所
人権擁護委員に窓口で相談できます。
所在地:市役所1階市民の声を聞く課
相談時間:木曜9~12時。
・予約をする場合は、平日8時45分~12時15分、13時~17時15分に市民の声を聞く課【電話】211-2075へ電話。当日予約も可能
▽札幌法務局、札幌人権擁護委員連合会(みんなの人権110番)
【電話】0570-003-110
所在地:北区北8西2 札幌第1合同庁舎内
相談時間:平日8時30分~17時15分(窓口での相談も可)
▽インターネット人権相談
▽こどもの人権(じんけん)110番(ばん)、LINE(ライン)じんけん相談(そうだん)、こどもの人権(じんけん)SOS-eメール
子(こ)どものほか、子(こ)どもの人権(じんけん)に関(かん)する悩(なや)みを持(も)つ大人(おとな)も相談(そうだん)できます。
【電話】0120-007-110
相談時間(そうだんじかん):電話(でんわ)とLINE(ライン)は平日(へいじつ)8時(じ)30分(ふん)~17時(じ)15分(ふん)
▽女性の人権ホットライン
【電話】0570-070-810
相談時間:平日8時30分~17時15分
▽外国語人権相談(がいこくごじんけんそうだん)ダイヤル、外国語(がいこくご)インターネット人権相談(じんけんそうだん)
【電話】0570-090-911
対応言語(たいおうげんご):英語(えいご)、中国語(ちゅうごくご)、韓国語(かんこくご)、フィリピノ語(ご)、ポルトガル語(ご)、ベトナム語(ご)、ネパール語(ご)、スペイン語(ご)、インドネシア語(ご)、タイ語(ご)
相談時間(そうだんじかん):電話(でんわ)は平日(へいじつ)9~17時(じ)
※インターネット、eメール以外の相談時間は、全て祝・休日と12/29~1/3を除く
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