近年、増加傾向にある市内での救急出動。
今回の特集では、限りある救急車の適正な利用方法や、これからの季節に注意したい熱中症への対策を紹介します。
■救急出動件数は増加傾向
昨年の市内の救急出動件数は、11万9872件で過去最多に。10年前の2014年と比べて約3万件増えています。高齢者人口の増加などの影響もあり、件数は今後も増える見込みです。
■現場到着までの時間も増加傾向
救急出動件数が増えていることで、現場の近くに救急隊がおらず、離れた場所から現場に向かわざるを得ない場面が増えたことなどにより、救急隊の出動から現場に到着するまでの平均所要時間も増加傾向です。2014年は6分30秒でしたが、昨年は8分24秒と約2分も増えています。
このまま所要時間が増え続けると、救えるはずの命を守れなくなってしまう可能性が出てきます。
■中には救急出動に適さない要請も
救急搬送される方のうち、約半数は入院の必要がない軽症の方です。また、明らかに救急車の利用に適さない、緊急性が低い要請をする方もいます。救急車を要請する場合は、緊急性を考えて、適正に利用することが大切です。
▽実際にあった緊急性が低い要請の例
・紙で指を少し切ってしまった
・お酒を飲んでしまって運転できない
・病院に行った方が良いのかアドバイスが欲しい
▽救急課 湯浅(ゆあさ)職員
出動できる救急車や、通報を受ける電話回線には限りがあります。一刻も早く救命処置が必要な方のためにも、救急車を呼ぶべきか迷った時は、まずは#7119(救急安心センターさっぽろ)などに連絡して、救急車を正しい方法で利用していただきたいです。
■命を守るために救急隊の体制を強化
救急隊から病院に、搬送患者の情報を共有するアプリを2月に導入。より早く正確に患者の情報を伝え、搬送する病院を速やかに決定できるようにすることで、搬送にかかる時間を短くして、次の出動に備えています。また、4月から救急隊を1隊増やし、現在は36隊が稼働しています。
■次のページでは…救急車の正しい呼び方を知ろう
#7119って何?
詳細:救急課
【電話】215-2070
<この記事についてアンケートにご協力ください。>