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自治体の皆さまへ

《特集》知って考えよう これからの公共交通(1)

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北海道札幌市

運転手不足や利用者数の減少、燃料費・物価の高騰などの影響で、バスをはじめとする公共交通機関は厳しい状況に直面しています。今回の特集では、公共交通を守るための取り組みを紹介します。

■公共交通の現状は?
多くの皆さんが思っていることと、実際の市の状況を見ていきます。

▽バスやタクシーが少なくなって困る
深刻な運転手不足などによって、運行できるバスやタクシーの台数が減少しています。特にバスでは、やむを得ず減便や路線の廃止などを行っています。

▽維持するために、市は支援をしているの?
市では、バスの運行に対する補助金を、生活に必要な公共交通を確保するために路線バス事業者へ交付しており、その金額は増加傾向にあります。一方で、現在は深刻な運転手不足によって減便や路線の廃止が生じているため、補助金の交付以外の対策にも取り組んでいます。

▽運賃が値上がりするの?
利用者数の減少や燃料費・物価の高騰により悪化している経営状況の改善と、人材の確保につなげるため、運賃の値上げを予定しています。

▽地域公共交通計画を策定します
現状を踏まえ、市の公共交通を守っていくために、バスや路面電車などの交通事業者、利用者団体、有識者、市などの行政機関で構成する札幌市公共交通協議会で検討を進め、計画を策定していきます。

▽専門家の視点
公共交通協議会の吉田 樹(よしだいつき)会長に聞きました
福島大学人文社会学群経済経営学類教授。主に地域交通政策の研究をしており、全国の公共交通に関する協議会などに委員やアドバイザーとして参加している。

・バスは日常を支える重要な交通手段
札幌にはさまざまな公共交通機関がありますが、バスは広い範囲の移動を支える重要な交通手段だと考えています。バスがないと、自家用車を利用しない場合の交通手段が減ってしまうほか、自家用車の利用が増えて、排気ガスによる環境への悪影響が広がる可能性があるなどの問題もあります。全国的に路線バスの運転手不足が深刻になる中、どうしたらサービスを続けていけるのかを大きなテーマの一つとして協議会で検討しています。

・公共交通を守るために
市の公共交通網を守るためには、それぞれの公共交通の役割分担を明確にし、バスを効率的に走らせる必要があります。例えば、バスと地下鉄で路線が重なる部分は地下鉄に任せて、バスは地域と地下鉄駅を結ぶ路線をしっかり維持していく。どうしてもバス路線の維持が難しい場合は、大型免許が不要な小型の車両を使った交通手段に置き替えるといった方法も考えられます。
また、公共交通網の維持には、皆さんに利用してもらうことも欠かせません。将来にわたって残していくためにも、積極的に使っていただきたいです。

詳細:都市交通課
【電話】211-2492

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