■札幌市での水素に関わる取り組み
●長く保存できて運べる水素
酸素と結び付けると発電でき、燃焼させると熱として使えます。
▽水素の主な利点
・電気よりも長く保存でき、使う場所に多様な方法で運べる
・電気や熱として使う時に、二酸化炭素を排出しない
・風力などで必要以上に発電した電気を使ってつくれる
・水などの身近な資源を利用することで、輸入に頼らず国内でつくれる
・燃料電池、ボイラー、ストーブなど、さまざまな用途に利用できる
※燃料電池
水素と酸素を結び付けて発電する装置。乗り物を動かすことや、工場や家庭への電気の供給などに使われています。
▽目指すのはグリーン水素の活用
再生可能エネルギーでつくった電気で水を電気分解してつくる水素は、つくる過程でも温室効果ガスを排出しない「グリーン水素」といわれます。
●水素の供給と需要をつくる
水素をつくってから活用するまでの流れの構築に向けて、取り組みを進めます。
詳細:グリーントランスフォーメーション推進室
【電話】211-2424
■専門家に話を聞きました「GXを札幌の新たなまちづくりのきっかけに」
石井一英(いしいかずえい)さん
北海道大学工学研究院環境工学部門・環境工学分野教授。主に廃棄物管理や循環計画などを研究しており、札幌市をはじめ、道内自治体の環境や廃棄物関連の計画の策定にも携わっている
▽自然と共生しながら再生可能エネルギーを使う
エネルギーの地産地消は、地元の経済が発展したり価格変動の影響を受けにくくなったりするだけでなく、地域で独自の送電システムをつくることで、災害が起こったときにも電気や暖房などとして安定的に使えるというメリットもあります。
ただし、私たちが再生可能エネルギーを使うには、限りある地球の資源や土地を使って施設を造る必要があることを忘れてはいけません。エネルギーを使う量を減らす省エネに私たち全員がしっかりと取り組みつつ、自然とも共生して再生可能エネルギーを活用していくことが重要だと思います。
▽新しい産業が生まれる札幌に
再生可能エネルギー関連の産業を発展させることはもちろん、例えば、札幌でこれまで行ってきたデジタルやアートなどのさまざまな分野の取り組みとGXを組み合わせることで、既存の取り組みを強化したり、食や観光だけではない新たな主要産業が生まれたりすると良いですね。
また、新たな産業が生まれるためには、さまざまな人が積極的に挑戦できる環境をつくることも重要です。特に、これからの時代を担う若い人たちをはじめ、挑戦する人たちを応援できるような社会を、みんなでつくっていければ良いのではないかと思います。
▽エネルギーの未来を自分事にして考える
エネルギーの取り組みは、つい自分から遠く離れたものと思いがちですよね。しかし、私たちが普段何気なく使うエネルギーがどこでつくられ、どのように使われているのかに目を向けて、エネルギーの地産地消を実現することは、未来の札幌のまちづくりにとって重要です。
今は、GXで社会が変わっていく転換期。自然の恵みがあってこそ、私たちは豊かに暮らしていけるということをあらためて考えながら、新しい札幌のまちづくりについて、私たちができることを、一緒にアイデアを出し合って、みんなで楽しみつつ行動していきたいですね。
札幌市と北海道では、環境に優しいエネルギーを通して豊かな暮らしを実現する街を目指して、取り組みを進めていきます。地球環境を次の世代に残していくために、一人一人にできることを考えて、一緒に行動していきましょう。
・動画で詳しく解説しています
GXについて、札幌市・北海道での取り組みや推進の重要性を、分かりやすく解説しています。
詳細:グリーントランスフォーメーション推進室
【電話】211-2725
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