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[特集]みんなの”足”としての使命 町営バスのゆくえ(1)

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北海道栗山町

栗山町内をぐるりと走る循環バス「町営バス」を皆さんご存知ですか。町内での買い物、通院・通学などで利用できる「みんなのバス」として長年運行しています。
しかし、近年は乗車する方が減っており、十分に利用されていないのも実情です。
今回は町営バスを知ってもらう機会としてバスの在り方や今後についてお伝えします。

◆[PART01]ご存知ですか? 町営バスの歴史
平成2年に、当時町内を循環していた中央バスが採算性を理由に撤退し、その補完として町営での路線バス運行が始まりました。以降、路線の見直しや新たな計画の策定など、利用者の声を踏まえた検討が行われてきました。
見直しの中で、特に高齢者などの生活に必要な移動手段の確保と、南部地区と市街地を結ぶ路線の維持は重要であるため、平成21年から滝下地区と日出地区の区間で予約バスの運行を行い、JR栗山駅をはじめ、市街地の民間バスの停留所などへのアクセスも容易となっています。

◆[PART02]市街地の大切な移動手段 コミュニティバス
町営による路線バスが浸透し始めた一方、市街地の路線が限られており、時代とともに病院や量販店の立地・分散が進み、車を持たない高齢者や子どもなど「交通弱者」対策の必要性が高まりました。
こうした市街地内での移動手段を求める声も多く上がったことを受け、平成27年より市街地循環型の町営バスとして、コミュニティバス「くるりん号」を導入し、今日まで運行しています。

◆[PART03]赤字運行のバス 現状と課題は?
町の面積は203・93平方キロメートルで、南北に約25キロという縦長の町域です。駅やバス停留所から遠い地域も多く、高齢化率が41・1%の町にとって、多くの方の移動は非常に大変な状況です。
交通手段のない人たちの移動には、古くから鉄道やバスが利用されていますが、近年の車社会の進展や交通ニーズの変化により、利用者は減少しており、収入も年々落ち込んでいます。
また、燃料高騰による経費の増加など運営は厳しさを増しており、支出(委託料)は年間約7000万円に上り、財源の多くは私たちの税金が充てられています。(下記図参照)
そのような厳しい現状ですが、バスは過疎化や高齢化が進む地域の公共交通機関として、大きな役割を果たしています。世代や生活環境でバスの需要や考え方が大きく異なり、財政負担や利便性の改善など多くの課題はありますが、町としては、交通弱者の移動手段を確保するためのバス事業を絶やすことはできないと考えています。

〈町営バスの運行に係る支出(委託料)と収入〉

◆町内を走る町営バスは3種類(令和6年3月現在)
(1)路線バス
町内全域を回るバス(一部のバスは予約制)。8路線25便
(2)コミュニティバス
市街地内を回るバス。1路線8便
(3)デマンドバス
町内~北広島を結ぶ予約制バス。現在、実証運行中
※(1)の予約制バスと異なります。

※民間バス
中央バスが町外を結ぶ民間バスとして運行しています

◆町の皆さんの”声”
バス交通に関するアンケート調査より(令和元年2月実施)

・冬時期も運行されていることは大変助かります。これから高齢社会になっていく中ぜひ続けてほしい。
(70代女性)

・現時点で利用していませんが、将来的に必ず利用するものだと思います。今後も続けてほしい。
(70代男性)

・町営バス・コミュニティバスは大変助かります。足が痛く、買い物の荷物も重く、通院でも利用しています。
(70代女性)

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