ケアラー支援 一人でも命を救う 地域の支え合い
◯Profile
栗山町社会福祉協議会ケアラー支援室
参与 吉田義人(よしだよしひと)さん
町職員として40年以上にわたりまちづくりに携わり、退職後、社会福祉協議会の事務局長や特別養護老人ホーム「くりのさと」施設長などを歴任。76歳を迎えた現在も、町のケアラー支援の普及に奔走している。
町のケアラー支援の歴史は、社会福祉協議会(以下、社協)による平成22年のケアラー実態調査が始まりです。今回は、当時の社協事務局長をつとめていた吉田義人さんにお話を聞き、当時の話や今後についての思いを取材しました。
◆現実を知った実態調査
当時、日本ケアラー連盟の実態調査として町内でアンケートを行いました。全国5カ所で行う調査でしたが「福祉のまちづくりを行う栗山で調査したい」とのことで依頼を受けました。
その後、全戸調査とケアラーへのインタビューを行い私も調査に同行しましたが、その声を聞いて大変ショックを受けました。「家族関係の葛藤」「将来に希望が持てない」などのケアラーの声により、町内のリアルな実態を知ることとなりました。
調査をもとに、今後社協としてケアラー支援を明確に推進していこうと考えました。これが、令和3年にケアラー支援条例を町で定めるきっかけです。
◆仲間がいたから今がある
町職員時代は、社会教育主事として多くの町民の皆さんと関わってきました。ケアラー支援の活動の場でも、社協で取り組んでいる「いのちのバトン」「ケアラーズカフェ」など、多くの仲間に恵まれながら推進していました。当時の皆さんは現在もボランティア団体やケアラーサポーターなどで活動しており、町民の皆さんがあっての今だと思っています。
◆地域全体での支え合い
最近「ヤングケアラー対策」という言葉も注目されていますが、ケアラー支援は子どもや高齢者という括りはありません。ケアラーが抱える悩みはさまざまであるため、地域全体の課題として考える必要があります。
ケアラーの皆さんがどのようなことで悩み、生活の中に課題を抱えているのかを明らかにしたい。そして、行政と町民、企業や団体も含めた多くの方が連携することで地域で支え合う「まち」になると思います。今後も取り組みを推進していきます。
町のケアラー支援の中心となっている吉田さん。北海道のほか長崎県でも有識者として携わっている
問合せ:
(1)子どもの相談
・子育て支援センター
【電話】72-1280
(2)高齢者の相談
・地域包括支援センター
【電話】73-2255
(3)障がいの相談
・福祉課福祉・子育てグループ
【電話】73-2222
(4)ケアラーの相談
・社会福祉協議会
【電話】72-2121
※(1)~(3)は平日のみです。
※(4)は月・水・金の午前のみです。
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