町史資料調査室・研究員/青木隆夫
◆No.26 石工の系譜-碑に刻まれた「かねイ」の屋号
6月号で山梨県の石工(いしく)を紹介しました。石工は、石材を加工したり組み建てたりする職業や職人、技術を指す総称です。
栗山にも、明治の頃から石材を使う土木工事や石倉の建設、寺社の墓石、神社の石灯篭、手水場、石碑などの製作に携わる石工たちがいました。町内に残された石碑に、その仕事を担ったことを伝える署名を見つけることができます。
北学田神社にある大正元年に建立された「地神碑」には、「石工人クリヤマ(カかねイ)イナバ」の銘が刻まれ、また御園神社の境内にある合祀された「相馬神社」社号の碑にも、「石工栗山(かねイ)稲葉」の文字を読むことができます。この石工は大正6年の「栗山発達記念誌」に、明治41年栗山居住の「石工業、稲葉周助」と記されている人物だったようで、その仕事の一端が上記の石碑の建立の中にありました。
土木・建築の技術は、明治期以降に欧米の技術を吸収することで、大きく変化を遂げました。伝統的な石工の活躍した時代は過ぎても、その足跡は現在に至る技術として引き継がれています。
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