3月4日に開かれた池田町議会第1回定例会議において、安井町長が1件の一般行政報告を行いました。
■1 2月4日に実施した池田町地域防災訓練について
近年、全国各地でさまざまな自然災害が多発する中、令和6年1月1日に発生した令和6年能登半島地震では、多くの尊い命が失われ、建物の火災や倒壊など甚大な被害がもたらされました。
内閣府が令和4年3月に積雪寒冷地特有の課題を踏まえた防災対策を取りまとめ、同年5月には「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」が改正され、本町はこの巨大地震が発生した場合に著しい被害が生じる地震防災対策推進地域に指定され、災害対策基本法に基づく防災訓練計画を本町の地域防災計画に定めています。災害応急対策を円滑に実施するためには関係機関と共同し、防災に関する知識および技術の向上と、「自助」および「共助」の観点から、住民に対する防災意識の醸成を図ることが重要であり、その目的に沿って訓練を行ったものです。
地域防災訓練に先立ち、1月26日には災害対策本部で部長および副部長の役割を担う町管理職員による災害対策本部訓練を行いました。十勝沖を震源とするマグニチュード9.1の巨大地震が発生し、本町では震度6強を観測したことを想定して実施しました。本訓練のシナリオは、「平成15年十勝沖地震」や「平成30年北海道胆振東部地震」によるブラックアウト(全域停電)を参考に、震度6強の地震で起こり得る事態を想定して作成し、職員の災害対応初動マニュアルを活用の上、各担当で行うことを詳細に記載しました。本部訓練を実施することで、机上のマニュアルとしてではなく、災害発生時の初動対応を逐次確認することができる各担当のマニュアルとなるよう、今後も本部訓練を繰り返し行うことで、より精度を上げていきたいと考えています。
次に、地域防災訓練は、2月4日に総合体育館と田園ホールを指定避難所とする南1丁目から5丁目、旭町1、2の8公区と、対象外地区の町民98人が参加したほか、町議会議員や「東十勝4町による広域防災に係る相互応援に関する協定」により協定を締結している他町の防災担当職員など総勢209人の参加をいただきました。
先の災害対策本部訓練と同様の規模の地震が冬期間に発生し、停電が続いている状況下での訓練としました。一定程度予測が可能な水害時は職員が前もって避難所の準備をすることが可能ですが、地震災害は突然発生し、町民だけではなく職員も被災する可能性があるため、本訓練では、より現実に近い形となるよう、職員は役場などの自席で、町民は日常生活の中で地震が発生し、それぞれ職場と自宅などから行動を開始し、さらに避難所となる総合体育館では停電を発生させ、自家発電装置が起動するなど、緊張感を維持しながらの訓練となりました。関係機関からは、池田消防署や池田町消防団、釧路方面池田警察署、池田町赤十字奉仕団にも協力をいただき、炊き出しや応急手当ての講習なども訓練の中に取り入れました。
本訓練で重要視したことは、職員と町民が共同で避難所を開設することで、避難所開設の初動では「避難者数の把握」と「安否確認情報の取得」が重要であることを職員はもとより参加した町民へ周知し理解していただいたと思っています。また、訓練全体では、施設の安全確認が終了するまでの屋外での待機や、避難所開設時には、畳の設置、備蓄品の組み立てにも協力をいただいたほか、インフルエンザやけが人を想定した避難者、さらにはペットブースを設けてペットとの同行避難をお願いするなど、要配慮者ブースでの保健師などの対応訓練を含めて、より現実的な避難訓練としました。
今回の訓練を通して、指揮系統の構築や備蓄品の管理方法、職員や町民への情報伝達の方法などさまざまな課題も確認されましたが、甚大な被害が想定される災害時には、職員の避難所配置を含めて、マニュアル通りでの災害対応は難しいとも考えています。職員が災害時の逼迫(ひっぱく)した状況下においても、指示待ちではなく、常に自分で考え、自発的な行動につながる意識付けが重要であり、今後、組織的に訓練の振り返りを行い、防災計画や災害対応に反映させていきます。
最後になりますが、来年度以降も定期的かつ継続的な訓練を実施し、町民の皆さんに「自助」および「共助」の考えの浸透を図り、防災・減災意識の高揚と災害時の円滑な避難誘導、応急防災活動体制の構築につなげていきたいと考えています。
以上、池田町地域防災訓練についての報告とします。
ユーチューブ「北海道池田町議会」チャンネルで、議会の録画映像を配信しています。
※二次元コードは本紙をご覧ください。
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