新年、明けましておめでとうございます。皆さまには平素から道政の推進に格別のご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
昨年は、新型コロナウイルス感染症対策のための入国制限をはじめとした様々な規制が解除されたこともあり、外国人などの観光客数の回復や地域における様々なイベントも再開され、各地では賑わいが戻りつつあると感じております。
地域ではポストコロナを踏まえ、各種事業が展開されているところであり、振興局としても地域の更なる発展のため、農林水産物の付加価値向上や持続可能な観光地づくり、環境と調和した社会の実現に向けて、各種施策を展開してまいります。
管内の各産業分野に目を向けますと、観光の分野においては、国際線定期便の運行便数の回復や円安による日本旅行の人気もあり、観光客数が感染症拡大前と同程度、またはそれ以上に回復することが期待されます。
振興局としても、こういった観光需要やニセコエリアを中心に進む開発の状況等を踏まえ、環境への負荷が低く地域経済に高い効果を与えるアドベンチャートラベル等を推進し、地域の「稼ぐ力」を引き出す地域の観光団体と連携しながら、コンテンツ発掘や旅行商品造成などの取組を進めてまいります。
食の分野では、後志産ワインを核とした食と観光の結びつきを強化しており、今年度も更なる後志ブランドの創出・拡大に向けて、生産者への技術支援や商談会等を通じたリゾート等へのワインや食材の販路拡大、魅力発信を行ってまいります。
管内の基幹産業の一つである農業では、昨年は気温が高く、農作物の生育も平年より早めに推移しましたが、収穫期の降雨や夏の高温により、品目によっては品質・収量に影響のあった年となりました。
振興局としては、今後とも、農作物の生産性・品質の向上に資する農地の大区画化や農業水利施設等の老朽化対策、スマート農業技術や化学肥料・農薬の使用量低減技術の普及促進等により、農業経営の体質強化に取り組むとともに、後志の農業が持続的に発展するよう、農作物の付加価値向上や担い手確保に向けて、地域の皆さまと一体となって取り組んでまいります。
水産業では、スケトウダラ、タラの漁獲が大きく増加した一方、昨年10月に発生した低気圧による漁業施設への被害も影響し、サケの漁獲が大きく落ち込んだほか、イカナゴの壊滅的な不漁等により、漁獲金額は前年度実績を下回る見込みとなっております。
また、昨年8月のALPS処理水の海洋放出に伴い、道産水産物の流通や輸出への影響が懸念されているところですが、販路を失った道産水産物の国内消費拡大を図るため「食べて応援!北海道」キャンペーンを開催するなど、漁業者の皆さまが、将来にわたって安心して漁業を営むことができるよう、持続的な水産業・漁村の確立に向けて取り組んでまいります。
林業では、管内リゾート関係会社等に対し、森林整備を通じたCSR活動として「ほっかいどう企業の森林づくり」の紹介を行うとともに、リゾート施設等における地域材の利用促進を図るため、講演会や意見・情報交換会などを開催しました。
本年もこれらの取組を継続するほか、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする「ゼロカーボン北海道」の実現に向けて、森林環境譲与税を活用した間伐などの促進や企業等に対する森林づくりへの参加の働きかけを行い、活力ある森林整備や地域材の利用促進などに取り組むとともに、環境と調和した社会の実現のため、環境意識を高めるための街頭啓発や出前講座などを実施してまいります。
雇用の分野では、一次産業やサービス業を中心とした慢性的な人手不足への対応として、冬季にリゾートで働く労働者に夏場の仕事と住まいの情報を提供するなど、通年雇用化に向けた取組を引き続き行ってまいります。
また、後志ならではの国際的な環境を生かし、外資系リゾートホテル等で若者を対象としたインターンシップを行う「ShiriBeshi留学」などを通じて、グローバル・シチズンシップの育成を図り、多様な人材を地域に呼び込む取組を継続して進めてまいります。
交通の分野では、北海道新幹線や後志自動車道の整備が進められており、地域交通の転換期に差しかかっています。今後も地域交通の維持や確保に努めるとともに、新たな交通網を活かした地域交通ネットワークの構築による利便性の向上など地域交通の活性化に向けて取り組んでまいります。
近年、日本各地で、気候変動に伴う大規模な災害が頻発しております。後志管内においても、大雨による土砂崩れなどにより避難を伴う自然災害が発生しており、万が一に備え、日ごろからしっかりとした防災意識を持つことが重要です。このため、効果的な防災訓練の実施により防災意識の向上を図るなど、今後とも地域住民の皆さま、関係機関と連携し、安全、安心に暮らせる地域づくりに取り組んでまいります。
今後も、後志の豊かな自然や多彩な食など、豊富な地域資源を生かしながら、地域一丸となって持続可能な地域づくりに取り組むとともに、世界の人々が集うこの後志の価値を一層磨き上げるために、地域の皆さまとの連携をさらに深めながら、「誰もが憧れ、誇りを持てるShiriBeshi」を目指して全力で取り組んでまいりますので、皆さまの一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。
新しい年が皆さまにとって、新たな希望と飛躍に向けた素晴らしい1年となることを心から祈念し、新年のごあいさつとさせていただきます。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>