世界的に離婚が増えています。日本でも、今では3組に1組は離婚するという状況です。
離婚が増える中で、離婚した後は、「子どもとはもう会わない」「養育費も払わない」という親が多いことが問題とされ、子どもの権利を守るため、「共同親権」という制度を導入することが検討されています。
「共同親権」とは何なのか、「共同親権」となることで、子どもたちの利益が守られるようになるのか、検討していきます。
第1 共同親権という制度
法律上、離婚したとしても、子どものお父さんとお母さんであることに変わりはありません。ただ、離婚したときには、「一方を親権者と定める」とされてきました。それで、親権者とされなかった親が、「自分と子どもとはもう関係がない!」と思い、子どもの養育にかかわらなくなる恐れがあると考えられたようです。共同親権となると、離婚しても、二人とも親権を失うことはありません。ただ、このことには問題もあります。
第2 共同親権となることの影響
「共同親権」とすべきと考える人たちは、離婚しても二人ともに子どもを育てる責任があることが明らかになるから、「子どもとはもう会わない」とか、「養育費も払わない」とか、勝手なことをいう親がいなくなるとしています。
ただ、親権者は、子どものために共同して親権を行使することが求められるので、進路とか、子どもにとって重要なことを決めるとき、離婚した後も、共同の親権者として話し合うことが必要になると考えられます。離婚したお父さんとお母さんが、ちゃんと子どものために話し合うことができるでしょうか。
第3 まとめ
「共同親権」が認められても、これまでどおりの「単独親権」もなくなりはしないようです。裁判所は、子どもの利益から、一方の親がDVをしているなど子どもの心身に悪影響があるような場合には、他方の親だけの単独親権とするそうです。
そもそも、子どもの利益のための改正です。「子どもの利益」を第一として、共同親権とするか、単独親権とするか、ちゃんと判断されているのか、これから意識してみていきましょう。
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