【特集】このまちには、高校生の輝く瞳がある。(3)

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■君の「やりたい」がここにある。
この言葉は、昨年全校生徒から募集して選ばれた、清水高校のキャッチコピーです。
清水高校へ通う生徒たちは、今ここで何を学び、何を見つけたのでしょうか。
3年生を中心とした生徒のみなさんと、生徒の一番身近な存在である先生の声をお届けします。

◆清水高校教務部長(勤続7年目)
餌取　和臣さん
総合学科は、幅広い学習を通して自分の個性や適性を発見することを目的に導入された第3の学科です。生徒は『系列』という選択科目グループごとに設けた科目の中から、自分の興味や関心、将来の進路に沿って、科目を選びます。
清水高校では、社会創造、科学技術、食品ビジネス、保健福祉という4系列からベースとなる系列を1つ選びますが、他系列の科目も選べるため、『系列を横断して学べる』のが最大の魅力です。生徒によって興味や関心があることは違うので、一人ひとりが輝ける場所があるというのは、清水高校の強みとなっています。
教員たちは「本当に、清水高校の生徒は良い」と感じています。お互いの人間味を認め合い、時には指摘し合ったり、お互いの学びを応援したりと、総合学科の特色が、多様な価値観の理解につながっているように思います。
また、清水町のみなさんと生徒との関わりが年々増えています。令和2年度から町議会に参加する清水高校生模擬議会が始まり、昨年度からは町観光協会に携わらせてもらっています。生徒にとってこのような機会は、地域への学びが深まり、まちづくりに貢献できたという自信になっています。
しかしながら、町のみなさんにとって清水高校は、まだ遠い存在なのかなと感じます。というのも、清水出身の生徒が少なく、近隣校への入学志向が強い傾向にあります。校長・教頭先生を筆頭に、清水高校は町のみなさんに近づきたいと思っています。これまで以上にみなさんとの関わりが増え、今ここで学ぶ生徒たちの魅力が伝わって、そこから生まれる人と人とのつながりの中で、生徒たちが成長していくことを理想に、教員たちも取り組みを進めています。

◆社会創造系列
◇卒業後の主な進路
・大学進学…社会・経済・法律・教育に関する学部
・専門学校進学…公務員・事務・観光に関する学科
・就職…公務員・総合職・サービスなどの職種

◇社会創造系列3年生
大山　理央さん
社会創造系列は、主に文系大学に進学する人向けで、小論文や英語スピーチなどの授業があります。私は大学進学を視野に入れていたので、この系列を選びましたが、今は就職を希望しています。
もともと大学へ進学する目的は、やりたいことを探すためでした。でも、3年生になって『清水町と連携してまちづくりをする』という社会探究の授業に触れて、公務員の中でも町役場の職員を目指したいと思いました。この授業を通して、私は町観光協会の理事会メンバーに立候補しました。町のみなさんと協力して、町を盛り上げる方法を探っています。私は新しいことに挑戦するのが苦手でしたが、理事会メンバーに立候補したように、清水高校には挑戦する機会がたくさんあるので、前よりも積極的な自分になれたことがうれしいです。公務員になったら、もちろんまちづくりにも関わりたいですが、町民の方に寄り添える窓口対応を担当してみたいなと思っています。そういう風に思ったきっかけは、3年間担任の小澤先生のおかげです。私の悩み相談を丁寧に聞いてくれて、相談できる存在がいるというのは、生活の中で大きいなと感じたので、暮らしの中の要となる行政に携わりたいとな思いました。

◆科学技術系列
◇卒業後の主な進路
・大学進学…理工・情報・機械に関する学部
・専門学校進学…情報・技術・建設に関する学科
・就職…公務員・機械・技術・建設などの職種

◇科学技術系列3年生
森本　颯太さん
科学技術系列は、産業科と理数科に分かれていて、産業科は農工業、理数科は理科や数学、最近だとデータサイエンスなども学びます。僕は理数科で、中学生の頃から、ぼんやりとですが、将来は工業系の道に進みたいと思っていたので、この系列を選びました。少人数なので、先生とほとんど対面で授業を受けています。先生のサポートが手厚くて、理解が深まるし、考える力が鍛えられています。他の高校に比べて少人数で学べるところに、僕は魅力を感じて入学しました。清水高校には『進学チャレンジ生応援』という制度もあって、生徒より多い数の先生が関わってくれています。
総合学科は、専門的な分野を学べる以上に、自分とは違った能力や志を持った人と関われるところが魅力だと思います。
いろいろな人と関わることで自分の視点が広がって、1年生のときは、ぼんやりとしていた夢が明確になりました。学年が上がるにつれて、機械工学を研究したいという気持ちが強くなったので、国立の工業大学への進学を考えています。将来は、機械の設計や技術開発をして、世界中の人の役に立つように、その技術を発展させたいです。そのために、今は受験勉強を中心に頑張っています。