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自治体の皆さまへ

〔特集〕ありのままに、自分らしく(2)

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北海道滝川市


~滝川市に講師としておいでいただいた当事者のお二人にお話を伺いました~

○武藤 義弘さん
ゲイを公表。LGBTQ当事者やその親の会「レインボーファミリー札幌」の代表として、札幌を中心に道内各地で活動。


私は平成29年12月号の広報たきかわ特集でも取り上げていただきましたが、あれから5年以上が経過した今、市民の声やアンケート結果を見ると、私たちのやりたいことが皆さんに伝わっていると感じます。
一方で、市民アンケートには批判的な意見もありました。ただ、その内容は抽象的で、実はLGBTQについて、しっかりと把握されていないことが分かります。ですので、近年は正しく伝え、正しく理解してもらえるように努めています。
まずはLがレズビアンなど、LGBTQを知ってもらい、いろんな当事者を混ぜながら、正しい理解につながるよう、頑張っていきたいと思っています。
このような活動は人のためもありますが、やはり自分のためでもあります。夢である結婚を目指し、誰かが変えてくれるのを待つのではなく、みずから変えていきたいですね。


地元の活動は、そこに住んでいる土地勘のある人がやるべきとのこだわりがあるので、私は北海道で活動することをすごく意識しています。その中でも滝川と岩見沢は、いじめの経験もありましたが、自分が住んでいたこと、楽しい学校生活を過ごせたことなどから、思い入れが強く、とても貢献したい気持ちがありますね。
そんな滝川でパートナシップ宣誓制度ができるなんて5年前にはまったく思っていなかっただけに、大変感慨深いです。でも、この制度は通過点だと思っていて、その先にあるのは北海道として制度化されるということです。
最近よく「LGBTQは特別視されているよね」といったコメントを見かけますが、そもそも差別されていたものを、本来あるべき姿に戻しているだけです。私は足がかり的なことを皆さんと連携して活動していきます。

○渕上(ふちがみ)綾子(あやこ)さん
男性として出生。2004年、性別適合手術を受け、男性から女性に性別を変更。現在、北海道議会議員として活躍。


LGBTQへの理解は特に学校で深まっており、今後も加速していくものと受け止めています。一方で、地域活動を支える高齢の方には、小さい頃から、さらに学校や会社でもLGBTQやダイバーシティ(多様性)について触れる機会がなく、退職後に初めて知ったという方も少なくありません。しかし、実際に会って話をしたら大半は分かっていただけます。
また、事業所の理解も重要です。実は会社の中でのトラブルやお客さんが離れることを懸念し、LGBTQの方の雇用を避ける事例が多いのです。実際私も経験しました。そのため、能力とは関係なく、当事者であると分かった段階で落とされてしまいます。さらに、会社の理念の中に、かつての常識や伝統的な性別役割に基づく考えなどが含まれていると、当事者の存在が露呈されず「うちの会社にLGBTQはいない」という誤った認識につながります。
このように、LGBTQに関する知識がないことが、誤解や偏見につながることから、地域や事業所などさまざまな場面で、学びの機会を増やしていくことが大切な一歩だと思います。


今年、理解促進法が制定されましたが、すべての方々に受け入れられているわけではありません。
トランス女性が女性用の公衆浴場やトイレなどの施設に自由に入れるようになると、性犯罪が増えるといったデマ情報が広がっています。もともと私たちはマジョリティ(多数者)に配慮し、トラブルを起こさないよう生活してきました。無理に線引きをするとむしろトラブルにつながります。女性の安全とトランス女性が自認する性で生きることは対立するものではないことをご理解いただきたいです。

※理解促進法:令和5年制定の「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」の通称
※トランス女性:からだの性は男性たが、こころの性は女性と認識している人

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