■20歳からの子宮頸がん検診のススメ
▼子宮頸がんってどんな病気?
子宮入口の表面の細胞にがんができる病気で、20歳代から増加し、30~50歳代に多くみられます。20~30歳代では、上※1皮内がんも含むと、乳がんの罹患率よりも子宮頸がんの罹患率が高くなっています。
性行為でのヒトパピローマウイルス(以下HPV)の感染が主な原因です。
▼どんな症状がでるの?
初期は症状がほとんどなく、検診によって発見されることが多いがんです。
▼リスクが高い人は?
HPVの感染自体は珍しいものではなく、性交経験がある人は誰でも感染している可能性があります。また、喫煙は子宮頸がんのリスクを高める要因となります。
▼検診+ワクチンで予防を
子宮頸がんは、上皮内がんや初期の浸潤がん※2の段階であれば子宮温存が可能です。将来の妊娠・出産の可能性にも備え、20歳になったら2年に1度がん検診を受診しましょう。
HPV感染を防ぐためのワクチン接種も予防に有効です。ワクチン接種と検診は役割が違うため、どちらも受けることが重要です。
※1 上皮内がん~子宮頸部の表面にある上皮細胞から発生した「がん」が、まだ上皮内にとどまっている状態
※2 浸潤がん~「がん」が上皮細胞の下にある基底膜を破って間質組織に入り込んでいる状態
○検診内容
・問診~問診票の内容を確認します。
・診察~子宮腟部の状態を目で確認します(視診)。
・細胞診~ブラシのようなものを腟内に挿入し、子宮頸部の細胞を採取します。
※少し出血する可能性はありますが、痛みなどを感じることは少ないです。
※月経中でも検査は可能です。
■子宮頸がんは予防・早期発見ができる「がん」です。
子宮頸がんは20歳代後半から急激に増加しますが、子宮頸がんの前段階である「子宮頸部異形成」は少なくともその数年前から始まっています。子宮頸がんは初期症状がほとんどないため、早期発見には検診が最も効果的です。前がん病変である子宮頸部高度異形成や、浸潤がんであっても初期段階であれば子宮温存も選択可能ですが、発見が遅くなると手術や放射線治療・抗がん剤治療の負担が大きくなり、生存率にも差が出てきます。
子宮頸がんの原因のほとんどが性交渉によるHPV感染で、ワクチンによる感染予防が可能です。初交(初めての性交渉)前の接種が理想ですが、そうでなくても予防効果があります。子宮頸がんはワクチンで予防ができ、検診による早期発見で完治が見込める数少ないがんです。
高齢になると子宮がん検診は関係ないと思いがちですが、検診で子宮体がんや卵巣がんが見つかる場合もあります。閉経後に出血などがある場合は、医療機関を受診してください。
婦人科のかかりつけ医を持ち、不正出血や帯下(おりもの)の異常、生理痛、過多月経、生理不順、更年期障害など、小さな変化でも相談することで病気の早期発見につながります。
文屋内科消化器科医院(医療法人社団青藍会クリニックへ医院名変更予定)
院長 千葉 大樹(ひろき)さん
医学博士・認定内科医・消化器病専門医・産婦人科専門医・日本医師会認定産業医
・毎週水曜日午後は女性専門外来診療
■HPVワクチンの接種を逃した方に無料で接種を行います。
対象者:平成9年4月2日~平成20年4月1日生まれの女性で、過去にHPVワクチン定期接種を合計3回受けていない方
接種方法:3種類のワクチンから選び、同じワクチンを3回接種します。過去に1~2回接種したことがある方は、残りの回数を接種します。
申込方法:下記二次元コードからワクチンの種類を確認し、実施医療機関へ直接お申し込みください。
料金:無料(令和7年3月31日まで)
問合せ:健康づくり課
【電話】24—5256
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