○昨年は全国で過去2番目に多かった熱中症による救急搬送
総務省消防庁の調査によると、令和5年5月から9月に全国で熱中症により救急搬送された人の合計は、9万1467人であり、平成20年の調査開始以降、過去2番目に多い年となりました。
今年も暑い夏となることが予想されています。熱中症は誰にでも起こり得る可能性がありますので、早めの対策と正しい知識で熱中症を予防しましょう。
熱中症の搬送件数は、昨年、北日本を中心に大幅に増え、北海道で一昨年に比べおよそ10倍(189人から1,847人に急増)となりました。
◆熱中症とは…
体温を平熱に保つために汗をかき、体内の水分や塩分の減少、血液の流れが滞るなどして、体温が上昇して重要な臓器が高温にさらされたりすることにより発症する障がいの総称です。高温環境下に長期間いるとき、あるいは、いた後の体調不良は全て熱中症の可能性があります。
高齢者、乳幼児、身体に障がいのある方、肥満の方、過度に衣類を着ている方、運動不足の方、暑さに慣れていない方、体調の悪い方などは熱中症にかかりやすく、特に注意が必要です。
*出典:環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」
◆熱中症の予防について
熱中症は、予防方法を知り、実践することで、防ぐことができます。
日常生活では、以下の点に注意しましょう。
(1)暑さを避けましょう
(2)こまめに水分を補給しましょう
水分補給のポイント:
・こまめに水分補給
・のどが渇く前に水分補給
・アルコール飲料での水分補給はやめましょう
・1日あたり1.2リットルの水分補給
・起床時、入浴前後に水分を補給
・大量に汗をかいた時は水分補給とあわせて塩分も忘れずに
(3)急に暑くなる日や継続する暑さに注意しましょう
(4)暑さに備えた体づくりをしましょう
(5)集団活動の場では、体力や体調を考慮し、お互いの様子に目を配ったり、変化に気がつきやすいように、声を掛け合いましょう
◆熱中症警戒アラート、熱中症特別警戒アラートについて
(1)暑さ指数(WBGT*)とは?
「気温、湿度、日射・輻射、風」の要素をもとに算出する、熱中症の危険度の指標です。
*WBGT:Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度
〔暑さ指数(WBGT)に応じた注意事項等〕
出典:
日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.3.1」(2021)
日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(2019)
環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」
(2)熱中症警戒アラート、熱中症特別警戒アラートとは
暑さ指数が一定の基準を超え、熱中症の危険性が極めて高い環境が予測される場合に気象庁と環境省から共同で発表されます。
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